こんにちは!私は約15年間中学校の教員として働いています。新年度の子どもたちによく聞かれるのは、「先生~、クラス替えってどうやって決めてるの~?」と言う質問です。大人のみなさんも、学生の時代は気になっていたのではないでしょうか!?

 今回の記事は、気になる人も多いと思う「クラス替えの決め方」について紹介したいと思います!また、クラス替えでボッチにならないようにする秘策も教えちゃいます!

数学の先生

クラス替えの裏側を教えちゃうよ~!

 クラス替えの決め方と手順

 先生たちのクラス替えの方法を、手順を追って紹介したいと思います!

 クラスの決め方は、どの学校でもそれほど大きくは変わらないので、だいたいの学校がこの決め方でやっていると思っていただいてOKです!

 ちなみにクラス替えのときは生徒一人ひとりの名前、成績、人間関係、性格などの情報が書いてあるカードを作成し、並べていきます。先生たちが複数人の目で見て確認をする目的があり、最近はそのカードに顔写真を貼ったりします。

1.まずは成績で大まかに分ける

 中学校では5段階の評定、小学校では3段階の評定の合計点(〇→2点、△→2点、×→0点)の高い順に分けていきます。

 例えば、3クラスに分けるときは、下の図のように、1位が1組、2位が2組、3位が3組、4位が3組、5位が2組・・・といった感じで、成績に偏りが出ないように分けます。

学校のクラス替えのやり方

 これは学力の差が大きく変わることを防ぐためです。例えば、中学3年のクラスで学力に大きな差がありすぎると、進路の時期になって、あのクラスはトップ校ばかりに合格して、あのクラスは就職する生徒ばかり、のようになると、担任の先生の負担が大きく変わってしまうからです。

 また、学力の低い子どもばかりのクラスは、生徒指導も大変になる傾向があるため、担任の先生の負担を分散させるためにも、学力はできるだけ均等にするようにクラスを分けます。

2.人間関係で調整する

 クラス替えという作業の中で一番神経を使うのがこの人間関係を考慮する作業です。絶対にミスは許されないので、一番時間をかけて何度も何度もチェックをします。この作業がクラス替えの大半を占めていると言っても過言ではありません。

 まず最優先される事項は、過去にトラブルがあり、保護者が「あの子とは別のクラスにしてください。」という申し出があった子ども同士は必ず別のクラスにします。そのトラブルがいじめなどの重大なトラブルであった場合は、100%クラスを分けます。

 クラスの発表の後に、同じクラスにしてしまった、などということになれば、保護者からのクレームは回避できないですし、子どもも先生も最悪の1年間になってしまいますよね。クラスの発表後に、クラスのメンバーを変えるといったことは基本的にはありません。

 次に、先生たちの目から見て、この子とこの子は同じクラスはやめましょうと、意見が合った場合です。多くの場合は問題を起こす子どもが一つのクラスに固まらないようにするためです。担任の先生によっては、あえてそのような子を何人も同じクラスにして、怖い先生がまとめて受け持つという方法を取る場合もあります。

3.双子やいとこ同士は別のクラス

 学校や地域のよって多少違うかもしれませんが、ほとんどの学校が双子やいとこ同士は別のクラスにします。法律で決まっているわけではないのですが、双子が同じクラスにいると、比べられてしまうなどのデメリットの方が大きいようです。

 私も双子を同じクラスにするような学校は経験がないので分からないのですが、そもそも1クラスしかない小規模な学校では必ず同じクラスになっていましますしね・・・。

4.元〇組が偏らないようにする

 上の図で、生徒一人ひとりのカードが色分けされていることに気付きましたか?カードを色分けすることによって、その子が元何組かが見てすぐに分かるようになっています。例えば「このクラスは元1組が多すぎるから、元2組の子と入れ替えよう」となるわけです。

学校のクラス替えのやり方

 ふたを開けてみたら元1組の子どもばかりだった、なんてことにならないように工夫しているわけですね!

5.不登校の子どもを1クラスに固めない

 不登校の児童生徒は毎年増加傾向にあり、現場で働いていると本当に増えたなぁと実感します。現在はだいたい1クラスに1人の割合で不登校の子どもがいますので、できるだけ1つのクラスに不登校の子どもが複数人在籍することは避けます。これはもちろん担任の先生の負担を軽減させるためです。

 不登校の子どもがクラスにいる担任の先生は、毎週のように家庭訪問をしたり、その生徒の悩みを聞いたり、保護者対応をするので、複数人いるとかなりの負担になるからです。

 また、友達付き合いが苦手で、特定の子が同じクラスにいないと学校に来なくなってしまうと懸念されるような子は人間関係を考慮し、友達を一緒にすることもあります。

6.各クラスにピアノが弾ける子を

 多くの中学校では文化祭で合唱コンクールをしています。そのような学校では、ピアノが弾ける子を事前に把握しておき、各クラスに2人はピアノが弾ける子を配置します。特に前年度に合唱コンクールでピアノを弾いた子は、次年度同じクラスにならないようにすることが多いです。

 合唱コンクールは全てのクラスが参加する学校行事ですので、ピアノが弾ける子が1人もいません・・・となったら地獄ですよね。

7.足の速い子をばらけさせる

 足の速い子をばらけさせるのは、もちろん運動会や体育祭で不公平が出ないようにするためです。クラス替えの優先順位としてはそこまで高くはないですが、1,2,3番目に足が速い子が同じクラスにかたまるようなことはしません。そんなことになったら、「あのクラスだけ足の速い子がいっぱいいてズルい!」と言われてしまいますからね。

 担任の先生によって大きく変わる

 クラス替えの中で、最も重要なことの1つが、「誰が担任をするか」です。前述したようなやり方でクラスを分けていくのですが、先生の力量、キャラクター、性別、生徒との関係を考慮します。「この生徒にはこの先生でなくてはダメだ」となる場合は意外と多いです。男性の先生が絶対ダメな女の子や、女の先生だと舐めてかかってしまう男の子などは結構たくさんいます。この先生の言うことなら子どもは言うことを聞く、ということであれば、その先生のクラスにやんちゃな子どもが集まることもあるでしょう

 「1組には問題児が集まる」と都市伝説のように言われたりしますが、実はこれ、結構当たっていたりします。その学年の1番ベテランの先生、学年主任の先生、中学ならば、副主任の先生は1組を持つ確率が高いからです。

 クラス替えでぼっちを避ける方法

 あまり良い方法ではないのですが、ぼっちを避けることができる可能性の高い方法は、「親から先生に要望を言ってもらう」です。昨今、学校というものは、世間的にとても立場の弱いものとなっています。

 保護者からの意見や要望にはできる限り応えようとするし、保護者からのクレームを一番恐れています。そのため、保護者からの要望は1番に聞こうとするはずです。

 ほぼ100%叶う方法は、先生たちがクラス替えをやり始める時期の3月中旬くらいに親から先生に電話してもらい、「あの子と別のクラスにしてください」という要望をすることです。これは限りなく100%に近い確率で叶います。(理由にもよりますが、要望の多い親、というレッテルが貼られてしまうかもしれません)そして、親から「あの子と一緒のクラスじゃないと不安で・・・」と言ってもらえば、それも高確率で叶うでしょう。

 まとめ

 いかがだったでしょうか!?初めて知ったことが多かったと思いますが、学校は多少の違いはあれど、このようなやり方、手順でクラス替えを行っています!ぼっちを回避する方法も紹介しましたが、与えられた環境で頑張ることも大切な成長の機会だと思います!

 常に同じ友達がいると安心できるかもしれませんが、同じ人とばかり一緒にいると、新しい友達をつくる機会を失う可能性もあります。ですが、新しいクラスが嫌すぎて学校に行けない!という生徒もたくさん見てきたので、すべての子どもが新しいクラスに元気よく学校に通えるようになってほしいと思いますので、参考にしてみてください。

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管理者
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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