
比例と反比例の授業を、どのように導入すればよいか迷うことはありませんか?
最初から「yがxに比例する」「y=決まった数×x」と説明しても、子どもにとってはイメージしにくいものです。
そこで僕は、公式や言葉の説明からではなく、身近な事象から授業を始めます。
水槽に水を入れる場面や、決まった面積の長方形、お菓子を分ける場面などを提示し、xとyの値がどのように変化しているかを考えさせます。
複数の事象を比べると、数量の変わり方には「比例」「反比例」「それ以外」に分類できることが見えてきます。
この記事では、小学6年生の「比例と反比例」の単元で最初に行う、45分の導入授業を紹介します。

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比例は公式から教えるとイメージしにくい
授業の最初から比例の言葉や意味を示しても、子どもにとってはそれがどのような関係なのか、具体的にイメージしにくいものです。公式を覚えることはできても、実際の事象と結び付かないことがあります。
「xの値が2倍、3倍になると、yの値も2倍、3倍になる関係」という子どもにとっては抽象的な概念を、現実の世界でイメージさせることが大切です。
そこでこの授業では、公式や比例の定義から教えるのではなく、身近な事象から学習を始めます。
水槽に水を入れる場面や、バケツに入れた水の量と重さ、面積が決まっている長方形、燃えているろうそくなど、変わり方の異なる4つの事象を提示します。そして、それぞれの表を見ながら、
xの値が変わると、yの値はどのように変わってる?
と問いかけます。
4つの事象を比べると、xが増えたときにyも増えるもの、yが減るもの、比例するもの、比例しないものがあることに気づきます。
この授業で目指すのは、子どもが公式を覚えることではありません。具体的な事象を比較しながら、数量の変わり方には違いがあることに気づくことです。
小6算数「比例と反比例」導入授業の流れ

今回紹介するのは、「比例と反比例」の単元で最初に行う45分の授業です。
「比例と反比例」の単元で最初に行う45分の授業では、反比例まで詳しく教えるのではなく、複数の事象を比べながら、比例する数量の変わり方を理解することを目指します。
授業は、次のような流れで進めます。
| 時間 | 学習活動 |
|---|---|
| 0~5分 | 4つの事象を提示する |
| 5~20分 | xとyの値の変化を一つずつ調べる |
| 20~30分 | 数量の変わり方によって分類する |
| 30~40分 | 比例する事象の特徴を考える |
| 40~45分 | 比例の意味を言葉でまとめる |
4つの事象を提示する

最初に、次の4つの事象を一つずつ提示します。
- 水槽に水を入れた時間と水の深さ
- バケツに入れた水の量と全体の重さ
- 配るお菓子の数と人数
- ろうそくを燃やした時間と残っている長さ
この段階では、「比例」「反比例」という言葉を先に教えません。
子どもには、次のように問いかけます。
それぞれの場面で、xの値が変わると、yの値はどのように変わっているでしょうか。
まずはxとyの数字から考えて、表をうめるだけでもOKです。
xとyの値の変化を調べる

4つの事象について、表の空欄を埋めたら次は数量の変わり方を調べます。
水槽に水を入れる場面では、時間が1分、2分、3分と増えると、水の深さは2cm、4cm、6cmと増えていきます。
ここで、次のように問いかけます。
xの値が2倍になると、yの値はどうなっていますか。xの値が3倍になるときはどうでしょうか。
子どもからは、「yも2倍になっている」「3倍にするとyも3倍になる」といった気づきが出てきます。
一方、ほかの事象では異なる変わり方が見られます。
- バケツの水は、1L増えるごとに全体の重さが一定量ずつ増える
- 人数が2倍になると配られるお菓子の数は半分になる
- ろうそくは、時間が1分増えるごとに長さが一定量ずつ短くなる
どの事象にも規則性はありますが、その規則は同じではありません。
| 事象 | xとyの変わり方 |
|---|---|
| 水槽の水の深さ | xが2倍、3倍になると、yも2倍、3倍になる |
| バケツ全体の重さ | xとyは増えるが、同じ割合では増えない |
| 面積が一定の長方形 | xが2倍、3倍になると、𝒚は1/2倍、1/3倍になる |
| ろうそくの長さ | xが増えると、yは一定の長さずつ減る |
この比較によって、「xが増える」という点は同じでも、yの変わり方は事象によって異なることが見えてきます。
比例(反比例)の意味を言葉でまとめる

このタイミングで比例と反比例がどのような関係かを確認し、どの事象が比例、反比例、その他に分類されるのかを考えます。
反比例については、この時間に式や性質まで詳しく扱う必要はありませんが、どれが反比例かは説明して良いと思います。
例えば、24個のお菓子を同じ数ずつ分ける場面を見せると、人数が2倍になると1人分は半分になります。比例とは異なる変わり方があることを、具体的なイメージとして持たせておきます。
そうすることで、反比例の学習にもスムーズに入れるでしょう。
この授業では、比例の言葉や公式を覚える前に、複数の事象を比べることを大切にします。そうすることで、子どもは比例を単なる計算のきまりではなく、2つの数量の変わり方として捉えられるようになります。
比例の導入授業で大切にしたいポイント
比例の導入では、公式を早く覚えさせることよりも、子どもが2つの数量の変わり方を具体的にイメージできることを大切にします。
xとyの両方の変化に注目させる
表の空欄を埋めるだけでは、子どもの意識が計算に向いてしまいます。
そこで、
xの値が2倍になると、yの値はどうなっていますか。
と問いかけ、xとyを関連付けて考えさせます。
比例は、2つの数量がどちらも増える関係ではありません。xが2倍、3倍になると、それに伴ってyも2倍、3倍になる関係です。何倍になっているかに注目させることが大切です。
「増えているから比例」と判断させない
「比例と反比例」を教える上で一番の注意点は、xが増えるとyも増える事象を見て、「これは比例している」と考えてしまうことです。
しかし、バケツに入れた水の量と全体の重さのように、2つの数量が増えていても比例しない場合があります。ろうそくのように一定の量ずつ減っていても、反比例とは限りません。
比例する事象だけを見せるのではなく、比例しない事象と比較することで、
増えてるからといって比例ではないし、減っているからといって反比例ではない。
ということをしっかりと教えることが重要です。
現実の事象を比較する
1つの事象だけでは、比例の特徴は見つけにくいものです。
そこで、比例、反比例、それ以外の事象を並べ、数量の変わり方を比較します。違いのあるものを比べることで、「比例ではxとyが同じように何倍にもなっている」という特徴が見えてきます。
こうした気づきを共有してから、比例の意味を教科書の表現で整理します。自分たちが見つけた特徴と言葉の定義がつながるため、比例の意味を理解しやすくなります。

まとめ
比例の授業では、最初から公式や言葉の定義を教えるのではなく、具体的な事象からxとyの変わり方を考えさせることが大切です。
比例を単なる公式として覚えるのではなく、2つの数量がどのように関係しているのかをイメージできるようにすることが、その後の式やグラフの学習にもつながります。
今回紹介した4つの事象や発問を、比例と反比例の導入授業に活用してみてください。
投稿者プロフィール

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教育×ICTクリエイター|教育メディア運営
教員15年→2026/3退職 中学数学13年+小6算数専科2年
Apple Teacher・Kahoot!認定クリエイター
書籍「算数から数学への壁」(エール出版社)
授業で使える算数・数学問題、思考力を育てるクイズ、ICT活用法を発信。
これまでに5種類の兼業を経験し、ストック型副業で月10万円の収益を構築。
電子書籍「論理的思考問題50」はAmazonベストセラー第7位を獲得。
現在は教育コンテンツ制作、デジタル教材開発、教員の働き方や副業について発信中。
SNS総フォロワー数は約3万人。
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