
小学校6年生の算数で学習する「対称な図形」は、線対称や点対称の特徴を理解し、対応する点や辺を見つけたり、対称な図形をかいたりする単元です。
しかし、この単元は授業の入り方がなかなか難しく、最初から「線対称とは、1本の直線を折り目にして折ったときに、両側の部分がぴったり重なる図形です」と説明しても、子どもはなかなかイメージができません。
この記事では、小6算数「対称な図形」の導入で使える画像クイズと、子どもの気づきを線対称・点対称の学習へつなげる授業の進め方を紹介します。
子どもが思わず考えたくなる問題から、対称な図形の学習を始めてみましょう。

この記事に紹介されている画像を使って、子どもに出題してみてね!
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小6算数「対称な図形」は授業の導入が難しい
線対称は「1本の直線を折り目にして折ったとき、両側がぴったり重なる図形」、点対称は「1つの点を中心に180度回転させたとき、元の図形にぴったり重なる図形」なのですが、
授業の最初からこのような言葉で説明しても、子どもにとっては抽象的でわかりにくいです。
また、教科書に掲載されている図形を見せて、「線対称な図形と点対称な図形に分けましょう」と問いかけるだけでは、答えを当てる活動になりがちです。
すでに特徴を知っている子どもだけが発言し、ほかの子どもは説明を聞くだけになってしまうこともあるかもしれません。
そこで大切にしたいのが、自分で線対象と点対称に気づく活動です。
「どこかがおかしい」
「向きを変えたら分かりそう」
先に大人が「線対称」と「点対称」の説明をするのではなく、子ども自身で気づきが生まれる問題を提示する。
子どもは自分から画像を見比べ、左右の形や回転に注目し始めます。
「対称な図形」の授業の導入
「対称な図形」の授業では、最初から線対称や点対称の意味を説明するのではなく、子ども自身が違和感を見つけるところから始めます。
自分で見つけた違和感が、実は線対称や点対称と関係していたことに気づかせるのが、この導入のねらいです。
「おかしいのは誰?」クイズを出題する
最初に、複数の人物の顔が並んだ画像を提示して、次のように問いかけます。
「この中に一人だけ、おかしい人がいます。誰でしょう?」

皆さんは答えがわかるでしょうか?
僕がこの問題をモニターに移して子どもに出題したところ、子どもたちはモニターにかじりついて考えます。
そのときには、「答えがわかったら言いにきて、理由も正解していないとダメだよ」と子どもに言います。
答えはこちらをクリック

Cの顔だけが完全な左右対称になるようにつくられています。
答えを発表した後は、
「Cの顔と、ほかの顔は何が違うのでしょう?」
「顔の真ん中で折ったら、どうなりそうですか?」
このように問いかけることで、子どもから「左右がまったく同じ」「真ん中で折るとぴったり重なる」といった言葉を引き出します。
ここでは、教師がすぐに「線対称」という言葉を教える必要はありません。まずは、左右の形がぴったり重なることに子ども自身が気づくことを大切にします。
これはなに?
この問題は次の授業にまわしても良いと思います。
「この画像は何でしょう?」

すぐに答えが分かる画像ではないため、子どもたちは向きを変えたり、頭の中で回転させたりしながら考えようとします。
この画像だけで正解できる子どもは少ないので、少しずつヒントを出していきます。
例えば、「これは文字です」というヒントでも良いでしょう。次に少しずつ答えに近づけていく、下の画像のようなヒントを提示します。

ヒント1で多く子供が気づくかもしれません。ヒント2はほとんど答えですね。
問題の画像は、反転させたシュークリームという文字を線対象にしたものです。
答えはこちらをクリック

アルファベットとデジタル数字を仲間分けする
画像クイズで線対称につながる見方を引き出した後は、アルファベットを仲間分けする問題を出題します。
A・E・M・N・P・S・X・Zを提示して、
「これらのアルファベットは、どのような仲間に分けられるでしょう?」
と問いかけます。

ここでもまだ、あえて線対称や点対称という言葉は使わなくても良いです。
とにかく、このアルファベットには3つの種類があるので、3種類に分けましょう。という言い方をします。
その3種類が「線対称」「点対称」「どちらでもない」図形であることを教えます。
- ある直線を折り目にすると、両側がぴったり重なる
- ある点を中心に180度回転させると、元の形にぴったり重なる
この問題の説明のときに、それぞれを「線対称」「点対称」と呼ぶことを伝えます。
教師から言葉と意味を一方的に教えるのではなく、子どもが画像の違和感を調べる中で見つけた特徴に、算数の言葉を結びつけるのがポイントです。
続いて、0から9までのデジタル数字も同じように仲間分けします。ここまできたら、子ども達も要領をつかめているので、この問題は子どもが自力で解く練習問題として使うのが良いかもしれません。

このとき、頭の中だけで考えるのが難しい子どもには、画像を回転させたり、対称の軸になりそうな線をかき込ませたりするとよいでしょう。
導入では算数の言葉を急いで教えない
「対称な図形」の授業では、最初から線対称・点対称の定義を説明したくなります。
しかし、先生が先に「折ったときにぴったり重なる図形を線対称といいます」「180度回転させたときに重なる図形を点対称といいます」と教えてしまうと、子どもはその定義に当てはまる図形を探すだけになってしまいます。
大切なのは、算数の言葉を覚える前に、図形に対する違和感を十分に味わわせることです。
子どもは、不思議に感じたことの正体を確かめるために、画像をよく見て、向きを変えたり、左右を比べたりします。友達と予想を伝え合う中で、自分とは異なる見方にも気づいていきます。
すぐに正解や用語を教えず、まずは自由に予想させることが大切です。
「何となくおかしい」という感覚が、「左右がまったく同じだから不自然に見える」「半回転させると元の形に重なる」という具体的な発見へ変わっていきます。
その発見を子どもの言葉で共有した後に、
「このように、1本の直線を折り目にしてぴったり重なる図形を、線対称な図形といいます」
「1つの点を中心に180度回転させたとき、元の図形にぴったり重なる図形を、点対称な図形といいます」
と算数の言葉を結びつけます。
違和感をもつ、予想する、確かめる、特徴を発見する。そして最後に算数の言葉で整理する。この順番を大切にすることで、子どもは定義をただ覚えるのではなく、実感を伴って線対称・点対称の意味を理解できるようになります。

まとめ
「対称な図形」は、線対称・点対称の定義から始めると、子どもにとって抽象的な学習になりがちです。
そこで授業の導入では、不自然な顔や文字が隠された画像など、子どもが「何かおかしい」「どうなっているのだろう」と感じる問題を出題します。答えをすぐに教えず、画像を見比べたり、折ったり、回転させたりしながら、違和感の正体を考えさせることが大切です。
授業の導入で大切なのは、先生がすべてを説明することではなく、子どもの中に「もっと調べてみたい」という気持ちを生み出すことです。
不思議な画像クイズを活用して、子どもが自分から図形の決まりを見つけたくなる授業をつくってみてください。
投稿者プロフィール

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教育×ICTクリエイター|教育メディア運営
教員15年→2026/3退職 中学数学13年+小6算数専科2年
Apple Teacher・Kahoot!認定クリエイター
書籍「算数から数学への壁」(エール出版社)
授業で使える算数・数学問題、思考力を育てるクイズ、ICT活用法を発信。
これまでに5種類の兼業を経験し、ストック型副業で月10万円の収益を構築。
電子書籍「論理的思考問題50」はAmazonベストセラー第7位を獲得。
現在は教育コンテンツ制作、デジタル教材開発、教員の働き方や副業について発信中。
SNS総フォロワー数は約3万人。
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