iPadの歴史を振り返ろう

2010年に初代iPadが登場してから16年、iPadは大きく進化してきました。

最初は「画面の大きなiPhone」のように見られることもありましたが、今ではノート、授業スライド、教材作成、動画編集、イラスト制作など、さまざまな場面で使われる端末になっています。

僕自身も、教員時代からiPadを授業で使ってきました。初めて触ったiPadは2011年に発売されたiPadの第二世代、自分で購入したのは2012年に発売された初代iPad miniで、当時はPowerPointのスライドを教室のテレビに映すために使っていました。

今では考えられないくらいシンプルな使い方でしたが、それでも当時は「これだけで授業がかなり楽になる」と感じたのを覚えています。

この記事では、初代iPadから現在までの歴史を振り返りながら、スペックや価格がどのように変化してきたのかを紹介します。

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iPadを生み出したAppleとは?

Padの歴史を振り返る前に、まずはAppleという会社について簡単に整理しておきましょう。

Appleは、1976年にスティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウェインの3人によって創業されたアメリカの企業です。最初の製品は、ウォズニアックが設計した「Apple I」というパーソナルコンピュータでした。

Appleの大きな特徴は、単に性能の高い機械を作るだけではなく、誰にでも直感的に使いやすい製品を作ることを重視してきた点にあります。

その考え方は、Mac、iPod、iPhone、iPadといった製品にも受け継がれています。

1984年には、現在のMacにつながる「Macintosh」を発売します。

Macintoshは、キーボードで命令を打ち込むだけでなく、画面上のアイコンやマウスを使って操作できるパソコンとして登場しました。当時としては、コンピュータをより直感的に使うための大きな一歩だったと言えます。

その後、Appleは2001年にiPodを発表し、音楽を持ち運ぶスタイルを大きく変えました。さらに2007年にはiPhoneを発表します。Appleは初代iPhoneを「携帯電話」「ワイドスクリーンiPod」「インターネット通信デバイス」を1つにまとめた製品として紹介しました。

このようにAppleは、ただ新しい機械を出すというより、日常生活の中での「使い方」そのものを変える製品を作ってきた会社です。

2010年にiPadが誕生

男性がiPadを持ち歩いている画像

2010年1月27日、Appleは初代iPadを発表しました。

初代iPadは、9.7インチのマルチタッチディスプレイを搭載したタブレット端末でした。Webサイトを見る、メールを読む、写真や動画を見る、電子書籍を読む、ゲームをするなど、当時のAppleはiPadを新しいカテゴリのデバイスとして紹介しました。

スマートフォンより画面が大きく、パソコンより手軽に使える。まさに、その中間にあるような存在です。

初代iPadの主なスペックは、以下の通りです。

  • 画面サイズ:9.7インチ
  • 解像度:1024×768ピクセル
  • 厚さ:13.4mm
  • 重さ:680g(Wi-Fiモデル)
  • ストレージ:16GB、32GB、64GB
  • チップ:Apple A4
  • バッテリー:最大10時間
  • カメラ:なし

今の感覚で見ると、初代iPadはかなり厚いし、重いですよね。

たとえば、現在の11インチiPad Proは厚さ5.3mm、重さ444gです。

つまり、初代iPadは現在のiPad Proと比べると、厚さは2倍以上、重さは1.5倍以上にもなります。

初代iPadは、今のiPadのようにApple Pencilが使えたわけでもありません。キーボードと組み合わせてノートパソコンのように使うというよりも、Web閲覧、動画視聴、電子書籍、アプリの利用が中心でした。

しかし、この初代iPadの登場によって、「タブレット」という新しい使い方が一気に広がっていきます。

iPadを年表で振り返る

iPadの種類と年表

最初のiPadは、今のように種類が分かれていなかった

年表を見ると、現在のiPadにはいくつかのシリーズがあることが分かります。

現在は、

  • 無印iPad
  • iPad mini
  • iPad Air
  • iPad Pro

の4種類で、使う人や目的に合わせてモデルが分かれています。

価格を抑えて使いやすい無印iPad、持ち運びやすいiPad mini、性能と軽さのバランスがよいiPad Air、クリエイティブ作業や仕事にも使いやすいiPad Proというように、それぞれ役割があります。

2012年にiPad miniが登場して「小型モデル」が生まれた

次の大きなポイントは、2012年のiPad miniです。

iPad miniは、

  • 7.9インチで持ち運びやすかった
  • 当時は16GBでも使えた
  • 持ち歩く端末としてはかなり便利だった

ちなみに僕が自分で購入した最初のiPadが、この初代iPad miniでした。

2013年にiPad Airが登場して「薄く軽いiPad」の流れができた

iPad Airは、iPadの進化を語るうえで重要です。

「Air」という名前の通り、薄さ・軽さを意識したシリーズとして登場しました。

iPadは初代のころはかなり重く厚い端末でしたが、iPad Airの登場によって「軽くて持ち運びやすいiPad」という方向性がはっきりしました。

さらに、今のiPad Airは単に軽いだけでなく、Mチップを搭載する高性能モデルになっているので、無印iPadとハイエンドモデルであるiPadProの中間を担う端末になっています。

性能と使いやすさ、オシャレなカラーがあることを考えると、一番おすすめできる機種かもしれません。

2015年にiPad Proが登場して「仕事・クリエイティブ用」になった

女性がカフェでiPadを使っている画像

2015年のiPad Proの誕生で、

  • 12.9インチの大型画面
  • Apple Pencil
  • Smart Keyboard
  • 仕事やイラスト制作を意識したモデル
  • 「見る端末」から「作る端末」へ

これらの変化が起こりました。

iPad Proと同時期にApple PencilやSmart Keyboardが登場し、iPadは動画を見るだけの端末ではなく、絵を描く、文章を書く、資料を作る、授業で使うといった「作業する端末」へ進化していきました。

2018年に無印iPadがApple Pencilに対応

教育現場目線で大きかったのが、2018年のiPad第6世代です。

このモデルから、比較的安価な無印iPadでもApple Pencilが使えるようになりました。

それまでは、Apple Pencilを使うなら高価なiPad Proが必要でした。しかし、標準モデルのiPadでも手書きができるようになったことで、学校や学習用途で使いやすくなりました。

Apple Pencilが使えると、ノートアプリに手書きでまとめたり、PDF教材に書き込んだりできます。

無印iPadでApple Pencilが使えるようになったことで、iPadは教育現場でもより現実的に使える端末になったと思います。

2020年以降はキーボード・トラックパッドでPC化

2020年以降、iPadはさらにパソコンに近づいていきます。大きなきっかけは、Magic Keyboardとトラックパッド対応です。

もともとiPadは、指で画面を触って操作する端末でした。しかし、キーボードとトラックパッドが使えるようになったことで、文章作成や資料作成がかなりしやすくなりました。

  • ブログ執筆
  • スライド作成
  • メール返信
  • 資料整理

などにも使いやすくなったわけです。

もちろん、すべての作業でパソコンの代わりになるわけではありませんが、日常的な文書作成なら、iPadだけでかなりこなせるようになりました。

2021年からMチップ搭載で性能が一気に上がった

2021年には、iPad ProにM1チップが搭載されました。ここからiPad ProはMacに近い性能を持つ端末になっていきます。

その後、iPad ProはM2、M4、M5へと進化していきました。

さらにiPad AirにもMチップが搭載されるようになります。iPad Airは、2022年にM1、2024年にM2、2025年にM3、2026年にM4へと進化しています。

これにより、iPadで動画編集、イラスト制作、教材作成、複数アプリを使った作業などマルチタスクもかなり快適にできるようになりました。

16年でiPadは「見る端末」から「作る端末」へ

初代iPadは、どちらかというと「見る端末」でした。

Webを見る。
メールを見る。
写真を見る。
動画を見る。
電子書籍を読む。

こうした使い方が中心でした。

しかし今のiPadは、

ノートを書く。
イラストを描く。
動画を編集する。
授業スライドを作る。
教材を作る。
ブログを書く。
Goodnotesでデジタル教材を使う。

このように、iPadはよりクリエイティブな道具へと進化していきました。

僕自身も、最初は授業スライドをテレビに映すためにiPadを使っていましたが、今では、iPadだけで教材作成、ノート作成、画像作成、動画台本づくりまでできます。

無印iPadの価格はどのように変わってきたか

無印iPadの価格の推移

初代iPadは499ドル・日本では48,800円から始まった

2010年に発売された初代iPadは、アメリカではWi-Fiモデルの16GBが499ドルから販売されました。

日本での発売時価格は48,800円です。

今のiPadと比べると、初代iPadは意外と手の届きやすい価格だったことが分かります。

現在の無印iPadが7万4,800円(2026年6月改定)になっていることを考えると、初代iPadはかなり戦略的な価格だったと言えます。

第5世代〜第8世代はかなり買いやすい時代だった

表を見ると、2017年の第5世代から2020年の第8世代あたりは、無印iPadがかなり買いやすい価格でした。

アメリカでは329ドル、日本でも3万円台で販売されていました。

特に第7世代・第8世代は34,800円だったため、家庭用や学習用としても選びやすい価格だったと思います。

この時期の無印iPadは、まさに「安く買える標準モデル」という位置づけでした。

2022年の第10世代で価格が一気に上がった

大きな変化があったのは、2022年の第10世代iPadです。

第9世代は39,800円でしたが、第10世代は68,800円になりました。

第10世代ではデザインが大きく変わり、USB-C対応や横向きフロントカメラなど、使いやすさも進化しています。

それまでの無印iPadは「一番買いやすいiPad」という印象が強かったですが、第10世代からは、無印iPadでも気軽に買える価格ではなくなってきたと言えます。

無印iPadのスペック比較

無印iPadのスペック比較一覧

画面サイズは少しずつ大きくなっている

無印iPadの画面サイズは、初代から第6世代までは9.7インチでした。

その後、第7世代で10.2インチになり、第10世代以降は10.9インチになっています。

ノートを書いたり、PDFに書き込んだり、授業スライドを映したりする場面では、画面が広いほど使いやすくなります。

無印iPadは、標準モデルでありながら、少しずつ作業しやすい画面サイズへ進化してきたと言えます。

薄く軽くなって持ち運びやすくなった

初代iPadは、厚さ13.4mm、重さ680gでした。

それに対して、現在の第11世代iPadは厚さ7.0mm、重さ477gです。数字で見ると、かなり薄く軽くなっていることが分かります。

iPadは手に持って使ったり、カバンに入れて持ち運んだりする端末なので、この変化はかなり大きいと言えるでしょう。

仕事で持ち運んだり、机の上で使ったりする場面でも、軽くなったことは大きな進化だと思います。

メモリとストレージが大きく進化した

初代iPadのメモリは256MB、ストレージは16GBからでした。

一方、現在の第11世代iPadはメモリが6GB、ストレージは128GBからになっています。

今では、アプリ、写真、動画、PDF教材、Goodnotesのノートなど、iPadに保存するデータはかなり増えています。

そう考えると、16GBではかなり厳しいです。

メモリやストレージが増えたことで、無印iPadでも教材作成や学習、動画視聴、ノートアプリの利用などがより快適にできるようになりました。

まとめ

2010年に初代iPadが登場してから、iPadは大きく進化してきました。

当初のiPadは、Webを見たり、メールを読んだり、写真や動画を楽しんだりする「見る端末」役割が大きかったのですが、iPad mini、iPad Air、iPad Proが登場し、Apple Pencilやキーボードにも対応したことで、iPadの使い方はどんどん広がっていきました。

特に教育現場では、授業スライドを映す、PDF教材に書き込む、ノートアプリで板書する、教材を作るといった使い方ができるようになり、iPadは先生にとってもかなり実用的な道具になりました。

一方で、価格を見ると、昔のように「気軽に買えるタブレット」とは言いにくくなってきています。性能が上がった分、無印iPadでも価格はかなり上がっています。

だからこそ、これからiPadを選ぶときは、単に新しいモデルを選ぶのではなく、自分が何に使うのかを考えることが大切です。

iPadの歴史を振り返ると、単にスペックが上がっただけではなく、使い方そのものが大きく広がってきたことが分かります。

これからiPadがどこまで進化していくのか、そして学校や仕事の中でどのように使われていくのか、今後も注目していきたいと思います。

投稿者プロフィール

hiro先生
hiro先生
教育×ICTクリエイター|教育メディア運営
教員15年→2026/3退職 中学数学13年+小6算数専科2年
Apple Teacher・Kahoot!認定クリエイター
書籍「算数から数学への壁」(エール出版社)
授業で使える算数・数学問題、思考力を育てるクイズ、ICT活用法を発信。
これまでに5種類の兼業を経験し、ストック型副業で月10万円の収益を構築。
電子書籍「論理的思考問題50」はAmazonベストセラー第7位を獲得。
現在は教育コンテンツ制作、デジタル教材開発、教員の働き方や副業について発信中。
SNS総フォロワー数は約3万人。