教員が使うべきAIツール

授業準備、教材研究、プリント作成、学級通信、保護者対応、校務分掌、研修資料の確認……。

先生の仕事は多岐にわたる上に、生徒と関わっていない時間はとにかく準備、準備、準備、の連続ですよね。

資料の確認、資料のたたき台を作る、教材を作る、これらの仕事はAIを活用することでかなり効率化できます。

子どもの表情を見取ったり、つまずきに気づいたり、学級の空気をつくったりすることは、AIにはできない大切な仕事です。

しかし、AIを上手に使えば、先生の仕事を少し軽くし、子どもと向き合う時間を増やすことができます。

この記事では、教員が授業準備・教材作成・校務の効率化に使いやすいAIツールを8個紹介します。

それぞれの特徴と教員目線での活用方法をわかりやすく解説していきます。

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教員こそAIツールを活用すべき理由

教員こそ、AIツールを積極的に活用すべきだと思います。

なぜなら、先生の仕事には「先生にしかできない仕事」と「AIに手伝ってもらえる仕事」があるからです。

子どもの表情を見て声をかけること、授業中のつまずきに気づくこと、学級の雰囲気をつくること、子ども同士の関係を見守ること。こうした仕事は、AIにはできません。目の前の子どもたちと直接関わるからこそできる、教員の大切な役割です。

一方で、授業案のたたき台を作る、教材の文章を整える、クイズを作る、研修資料を要約する、保護者向けの文書をわかりやすく直すといった作業は、AIに手伝ってもらうことができます。

ゼロからすべてを考えるよりも、AIにたたき台を作ってもらってから考える方が、作業時間は大きく短縮できます。

AIを活用して事務的な作業や準備の時間を少しでも減らすことができれば、その分、子どものノートを見る時間、つまずきを分析する時間、授業をよりよくする時間を増やすことができます。

教員が使うべきAIツール8選

教員が使うべきAIツール

NotebookLM|資料の要約・教材研究に役立つAI

NotebookLMは、PDFやWebサイト、YouTube動画、Googleドキュメントなどを読み込ませ、その資料をもとに要約したり、質問に答えたりしてくれるGoogleのAIツールです。

簡単に言えば、自分の代わりに資料を読んでくれる優秀な秘書のような存在です。

教員は、文部科学省や教育委員会からの通知、研修資料、学習指導要領、学校マニュアル、行事資料など、目を通さなければならない文書がとにかく多いです。

しかも、膨大な資料の中で本当に重要なポイントは一部だけ、ということも少なくありません。

そんなときにNotebookLMを使えば、

「この資料の重要ポイントをまとめて」
「この情報をスライドにして」
「資料をもとにクイズを作って」

と質問するだけで、わかりやすく整理してくれます。

学習指導要領を読み込ませて教材研究に使ったり、研修資料を要約したり、行事の細案を読み込ませて確認事項を整理したりすることもできます。

また、NotebookLMは自分が読み込ませた資料の情報のみをもとに回答してくれるため、一般的な文書生成AIよりもはるしネーション(事実とは異なる情報を出力すること)が起こりにくいという点も大きな魅力です。

Gemini|Googleサービスと相性がよいAI

Geminiは、文章作成、アイデア出し、情報整理、授業案づくりなどに使える生成AIです。

Google for Educationでも、Geminiは授業準備の時間短縮や、学習体験の工夫に役立つAIツールとして紹介されています。

教員にとって特に便利なのは、Googleのサービスと相性がよいことです。

学校でGoogleドキュメント、スライド、フォーム、Classroom、Gmailなどを使っている場合、Geminiはかなり使いやすいAIになります。

たとえば、

「授業の導入で使える発問を考えて」
「Googleフォームで使う4択問題を作って」
「保護者向けの文章をやわらかく直して」
「授業スライドの構成を考えて」
「学級通信のたたき台を作って」

といった使い方ができます。

また、Google Workspace for Education向けには、Geminiを使って授業案やプレゼン資料のアイデア出しなどができることも紹介されています。

NotebookLMが「資料を読み込ませて整理するAI」だとすれば、Geminiは「Googleサービスと組み合わせて、日々の作業を手伝ってくれるAI」というイメージです。

特に、Google ClassroomやGoogleフォームを使っている先生にとっては、授業準備や小テスト作成、連絡文の作成などで活用しやすいでしょう。

ChatGPT|授業案・文章作成・アイデア出しに使える万能AI

ChatGPTは、文章作成、アイデア出し、教材づくり、授業案の作成など、幅広い場面で使えるAIツールです。

個人的には、教員がAIを使い始めるなら、まずChatGPTから試してみるのもよいと思います。

たとえば、

「小学校5年生向けに、割合の導入を考えて」
「この文章を保護者向けにやわらかく直して」
「授業の最後に使える確認問題を5問作って」
「この内容をイラストにして」
「雨の日にできる学級レクを考えて」

といった使い方ができます。

授業の導入、発問、ワークシートの文章、4択クイズ、保護者向け文書など、最初のたたき台をChatGPTに作ってもらえば、そこから先生自身が修正して使うことができます。

ChatGPTは、授業準備・教材作成・校務・など、さまざまな場面で使える万能型のAIツールです。

Copilot|Microsoft Officeと連携できるAI

Copilotは、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど、Microsoft Officeとの連携に強いAIアシスタントです。

学校現場では、Wordで通知文を作ったり、Excelで名簿や集計表を管理したり、PowerPointで授業スライドや研修資料を作ったりすることが多いと思います。

そうしたOffice作業を効率化できるのが、Copilotの大きな強みです。

たとえば、

「保護者向けの案内文をWordで整えて」
「Excelの表を見やすく整理して」
「アンケート結果をグラフにして」
「PowerPointのスライド構成を考えて」
「Outlookで送るメール文を作って」

といった使い方ができます。

ChatGPTなどで文章を作り、それをWordやPowerPointにコピーする使い方もできますが、Copilotの魅力は、Officeソフト上でそのままAIを使えることです。

文書作成、表の整理、グラフ作成、スライド作成、メール文の作成など、普段の校務で使う作業に直接AIを活用できます。

特に、Word・Excel・PowerPointをよく使う先生にとっては、かなり相性のよいAIです。

教員が使うべきAIツール

Claude|所見・通信・教材文など「書く仕事」に強いAI

Claudeは、文章作成や長文の整理に強いAIです。ChatGPTやGeminiと同じように、質問に答えたり、アイデアを出したりできますが、特に自然な日本語の文章づくりに強みがあります。

教員の仕事は、「書く仕事」がとても多いです。

所見、学級通信、指導案、報告書、保護者向けの連絡文、教材の説明文など、授業以外にも日本語で文章を書く場面がたくさんあります。

Claudeは、そうした文章のたたき台づくりに向いています。

たとえば、

「学級通信の文章を自然に整えて」
「保護者向けにやわらかい表現にして」
「所見の文章を前向きな表現に直して」
「教材の説明文をわかりやすく書き直して」

といった使い方ができます。

Claudeの良さは、AIっぽさの少ない、読みやすい文章に整えやすいところです。

ChatGPTが万能型のAIだとすれば、Claudeは「文章を自然に仕上げるのが得意なAI」というイメージです。

また、長文を扱いやすいので、指導案、研究紀要、学年通信、教材説明、ブログ記事、YouTube台本など、長めの文章を整理したいときにも活用できます。

さらに、ClaudeにはProjectsArtifactsという機能を使って、前提条件や文章の型をまとめておけば、毎回同じ雰囲気で教材文や通信文を作りやすくなります。

Canva AI|教材・掲示物・スライド作成に便利なAI

Canvaは、教材、掲示物、授業スライド、学級通信、ポスター、ワークシートなどを簡単に作れるデザインツールです。そこにAI機能が加わったことで、教材づくりや資料作成がさらに効率化できるようになりました。

たとえば、

「授業スライドのデザインをオシャレにしたい」
「学級掲示を見やすく作りたい」
「ワークシートのレイアウトを考えたい」
「行事ポスターを作りたい」

という場面も多いと思います。

Canva AIを使えば、文章からデザイン案を作ったり、画像を生成したり、文章を整えたりしながら、教材や掲示物を作ることができます。

特に便利なのは、デザインが苦手な先生でも、テンプレートを使って見やすい資料を作りやすいことです。

一からレイアウトを考えなくても、目的に合ったテンプレートを選び、文字や画像を入れ替えるだけで、それなりに見栄えのよい教材を作ることができます。

授業スライド、学級通信、掲示物、クイズ画像、ワークシート、保護者向け資料など、学校で使える場面はかなり多いです。

Canvaにはいろいろな機能があるので、教材や資料を「楽しく・見やすく・伝わりやすく」整える時間を大きく短縮できます。

デザインに時間をかけすぎず、わかりやすい教材を作りたい先生にとって、Canva AIはかなり便利なAIツールです。

Kahoot! AI|授業の復習クイズを簡単に作れるAI

Kahoot!は、授業中に4択クイズや復習クイズを出題できる学習クイズゲームツールです。そこにAI機能が加わったことで、クイズ作成の手間をかなり減らせるようになりました。

教員にとって、クイズはとても使いやすい教材です。

授業の導入で前時の復習をしたり、単元のまとめで理解度を確認したり、学級レクとして盛り上げたりすることができます。

ただ、クイズを一から作るのは意外と時間がかかります。問題文を考え、正解を決め、間違いの選択肢も作る必要があるからです。

Kahoot! AIを使えば、学習内容や資料をもとに、クイズのたたき台を短時間で作ることができます。

ChatGPTなどの文書生成AIと組み合わせれば、

  1. ChatGPTなどで「○○についての4択問題を10問作って」などとお願いする。
  2. 出力した問題をコピーする
  3. Kahoot!AIにペーストしてクイズを作成

この流れで、ほんの数分でクラスで盛り上がるクイズ大会が開催できてしまいます。

Kahoot!は、子どもたちがゲーム感覚で参加しやすいのも大きな魅力です。

「復習しなさい」と言うよりも、クイズ形式にした方が、子どもたちは前向きに取り組みやすくなります。

Wayground|小テストや理解度チェックに使えるAI

Waygroundは、もともと Quizizz として知られていた学習クイズツールです。現在はWaygroundという名前になり、クイズだけでなく、授業、ワークシート、フラッシュカード、理解度チェックなどにも使える教育プラットフォームになっています。

Waygroundは「問題をカメラで撮影してAIが解説してくれるアプリ」ではありません。

そのような機能は、Quiz AIやQuizardのような、宿題やテスト問題を撮影して解答・解説を表示する学習アプリに近いものです。

一方で、Waygroundは先生が授業で使うためのツールです。

Kahoot!が「クラス全体で盛り上がるクイズ」に向いているとすれば、Waygroundは「小テスト」や「個別の理解度チェック」に使いやすいツールです。

また、WaygroundにはAI機能もあり、テキスト、Webリンク、ファイルなどをもとに、クイズや授業、動画教材などを作成できます。問題を一から考える手間を減らせるので、授業後の確認テストや単元末の復習問題を作るときに便利です。

さらに、子どもたちの回答結果を確認しやすい点も魅力です。

どの問題で間違いが多かったのか、どの子がどこでつまずいているのかを把握できれば、次の授業で補足すべき内容も見えやすくなります。

Waygroundは、子どもに答えを教えるためのAIではなく、先生がクイズや小テストを作り、子どもの理解度を見取るためのAIツールです。

まとめ|AIを活用して先生の時間を生み出そう

教員が使うべきAIツール

ここまで、教員が使いやすいAIツールとして、NotebookLM、Gemini、ChatGPT、Copilot、Claude、Canva AI、Kahoot! AI、Waygroundを紹介しました。

それぞれのAIには、得意なことがあります。

NotebookLMは、PDFや研修資料を読み込ませて要約するのに便利です。
Geminiは、Googleサービスと組み合わせて授業準備や文章作成に使いやすいAIです。
ChatGPTは、授業案、教材づくり、アイデア出しなど幅広く使える万能型のAIです。
Copilotは、Word、Excel、PowerPointなどのOffice作業を効率化できます。
Claudeは、所見や通信、教材文などの「書く仕事」に強いAIです。
Canva AIは、教材や掲示物、スライドを見やすく整えるのに役立ちます。
Kahoot! AIは、授業の復習クイズを手軽に作ることができます。
Waygroundは、小テストや理解度チェックを通して、子どものつまずきを見取りやすくしてくれます。

AIは、先生の仕事をすべて代わりにやってくれるものではありません。

しかし、資料を読む、文章のたたき台を作る、クイズを作る、教材のデザインを整えるといった作業は、AIに手伝ってもらうことができます。

大切なのは、AIに任せきりにすることではなく、AIを使って先生自身の仕事を効率化することです。

AIで生まれた時間を、子どものノートを見る時間、つまずきを考える時間、授業をよりよくする時間、子どもと向き合う時間に使う。

これこそが、教員がAIツールを活用する一番の意味だと思います。

投稿者プロフィール

hiro先生
hiro先生
教育×ICTクリエイター|教育メディア運営
教員15年→2026/3退職 中学数学13年+小6算数専科2年
Apple Teacher・Kahoot!認定クリエイター
書籍「算数から数学への壁」(エール出版社)
授業で使える算数・数学問題、思考力を育てるクイズ、ICT活用法を発信。
これまでに5種類の兼業を経験し、ストック型副業で月10万円の収益を構築。
電子書籍「論理的思考問題50」はAmazonベストセラー第7位を獲得。
現在は教育コンテンツ制作、デジタル教材開発、教員の働き方や副業について発信中。
SNS総フォロワー数は約3万人。