道徳の授業をキャラバン方式でやるメリットとデメリット

近年、学校現場では働き方改革や授業改善の一環として、道徳の授業を「キャラバン方式(ローテーション授業)」で行う学校が増えています。

キャラバン方式とは、複数の先生が学年内のクラスを順番に回りながら、同じ内容の授業を行う方法です。

私自身も実際にキャラバン方式を経験しましたが、授業準備の負担軽減だけでなく、授業力向上や先生同士の学び合いにも大きな効果があると感じました。

一方で、評価の方法や日程調整など、導入する際に気を付けたいポイントもあります。

この記事では、15年間学校現場で働いてきた私の経験をもとに、道徳のキャラバン方式のメリットとデメリット、導入の流れについて分かりやすく解説します。

数学の先生

道徳の授業づくりに悩んでいる先生はぜひ参考にしてください!

この記事を読んで分かること

・道徳のキャラバン方式とは何か

・キャラバン方式のメリットとデメリット

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キャラバン方式とは

キャラバン方式とは、複数の先生が異なるクラスで、同じ授業内容を順番に教える方法のことを言います。この方式では、例えば3人の先生が3つのクラスを持っている場合、一定の期間にわたり、それぞれの先生が全てのクラスを教えることになります。

一般的には「ローテーション授業」という名前の方が浸透しているかもしれませんが、最近は「キャラバン」という言葉を多く使うようになりました。

メリット

キャラバン方式で授業を行うことは、多くのメリットがあります。ここではそのメリットを紹介します。

教員の負担軽減

キャラバン方式では、同じ授業内容を複数のクラスで行うことができます。例えば、上の図のように3クラスの学年を、4人の先生で道徳をする場合、1回分の教材で4週分の道徳を行うことができます。

3人の担任の先生がそれぞれ授業を行うとすると、4回分の授業準備が1回で済むことになるので、教員の負担軽減の効果はかなり高いと感じました。

授業の熟練度の向上

同じ授業を複数回行うことにより、先生は授業の流れや教材の使い方、授業内容の修正など、さまざまな面で熟練度を高めることができます。初回の授業よりも、回数を重ねる度に授業の質が向上していきます。

また、授業で子供が感想などのフィードバックをすることによって、子供がどう感じたかを知ることができるので、その点でも、授業を改善するヒントが得られるでしょう。

他の先生の授業を見ることができる

キャラバン方式では先生が交代で授業を行うため、担任の先生も空き時間となることがあります。普段見ることができない先生の授業を見ることができますし、他の先生が授業をしているときのクラスの子供の様子を見ることもできます。

先生同士がお互いにアドバイスをすることもできるので、全体の授業力向上も期待ができるでしょう。

数学の先生

子供にとってもいろんな先生の授業を受けることができるね!

デメリット

デメリットは多くありませんが、考えられるものを挙げておきます。

調整の手間

1つ目のデメリットは調整に手間がかかることでしょう。どのような順番で、誰がどのクラスを担当するかを決めなくてはいけません。

それだけであれば手間と言うほどのものではありませんが、例えばある先生が出張などで不在の場合、順番を入れ替えて授業をしなければいけません。そうすると最後の方で、回数が合わなくなってしまう場合があります。

評価の複雑化

道徳は小学校が2018年度に、中学校で2019年度に「特別の教科」として位置づけられました。それにともない、評価制度も導入されました。

デメリットというほどのものではありませんが、複数の先生が道徳を教えることになるので、評価をどのように付けるかを事前に相談しておく必要があるでしょう。

数学の先生

基本的にはメリットばかりだと思います!

導入まで

道徳の授業をキャラバン方式でやるメリットとデメリット

キャラバン方式は大きな準備が必要な取り組みではありません。学年の先生方で共通理解を図りながら進めることで、比較的スムーズに導入することができます。

1.学年で導入を検討する

まずは学年会などで、キャラバン方式を導入するかどうかを話し合います。

授業準備の負担軽減や授業力向上などのメリットを共有し、学年の先生全員が同じ方向を向いて取り組めるようにすることが大切です。

2.担当と日程を決める

導入が決まったら、誰がどの題材を担当するのか、どの順番でクラスを回るのかを決めます。

出張や行事などの予定も確認し、無理のないスケジュールを組んでおくと後々の調整が少なくなります。

3.教材研究を行う

担当する先生は教材研究を行い、授業の流れや発問を整理します。

同じ学年の先生同士で授業案を共有しておくと、より質の高い授業につながります。

4.実践後に振り返りを行う

キャラバン方式の大きなメリットは、授業を改善しやすいことです。

授業後に先生同士で振り返りを行い、「どの発問が良かったか」「子どもたちはどんな反応だったか」を共有することで、次年度以降の授業づくりにも生かすことができます。

キャラバン方式が向いている教科

キャラバン方式はすべての教科に向いているわけではありません。特に効果を発揮しやすいのは、学年全体で同じ内容を扱いやすい教科や領域です。

例えば、道徳は学年で共通の教材を扱うことが多いため、キャラバン方式との相性が非常に良いと言えます。また、学級活動総合的な学習の時間特別活動なども、授業内容を共有しやすく、先生それぞれの得意分野を生かしやすい教科です。

一方で、数学や英語のように単元の進度がクラスごとに異なる教科は、キャラバン方式にはあまり向いていません。授業の進み具合や生徒の理解度に差があるため、全てのクラスで同じ授業を行うことが難しいからです。

キャラバン方式を導入する際は、「学年で共通の内容を扱いやすいか」という視点で教科を選ぶと成功しやすいでしょう。

実際にやって感じたこと

道徳の授業をキャラバン方式でやるメリットとデメリット

私自身、道徳の授業でキャラバン方式を経験しましたが、最初は正直なところ「調整が面倒そうだな」と感じていました。

誰がどのクラスを担当するのか、出張や行事との兼ね合いはどうするのかなど、導入前には決めることがいくつもあります。

しかし、実際に始めてみると、その手間以上のメリットを感じました。特に大きかったのは、授業準備の時間が大幅に減ったことです。

これまで学年の先生がそれぞれ教材研究をしていたものが、担当者が中心となって準備することで、負担を大きく軽減することができました。

また、他の先生の授業を見る機会が増えたことも大きな収穫でした。同じ教材でも発問の仕方や話し方が違い、「こんな授業の進め方もあるのか」と学ぶことがたくさんありました。

子どもたちにとっても、さまざまな先生の授業を受けることは良い刺激になりますし、学年全体で子どもたちを見ていく意識も高まったように感じます。

もちろん改善すべき点はありますが、私自身はメリットの方が圧倒的に大きいと感じています。今後も機会があれば、ぜひ続けていきたい取り組みの一つです。

まとめ

キャラバン方式は、先生の負担を軽減し、授業の質の向上が期待できます。キャラバンによって先生たちそれぞれの専門性を生かしながらお互いに学び合う機会を得ることができます。

もし、まだ導入していないのであれば、皆さんの学年でも導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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投稿者プロフィール

hiro先生
hiro先生
教育×ICTクリエイター|教育メディア運営
教員15年→2026/3退職 中学数学13年+小6算数専科2年
Apple Teacher・Kahoot!認定クリエイター
書籍「算数から数学への壁」(エール出版社)
授業で使える算数・数学問題、思考力を育てるクイズ、ICT活用法を発信。
これまでに5種類の兼業を経験し、ストック型副業で月10万円の収益を構築。
電子書籍「論理的思考問題50」はAmazonベストセラー第7位を獲得。
現在は教育コンテンツ制作、デジタル教材開発、教員の働き方や副業について発信中。
SNS総フォロワー数は約3万人。