円の面積は「半径×半径×3.14」という公式で求めることができることは小学生で習います。しかし、なぜ円の面積が「半径×半径×3.14」で求めることができるのかは、あまり教わることはないでしょう。
この記事を読めば、なぜ円の面積が「半径×半径×3.14」で求めることができるのかという理由がすぐに理解できますよ!
現役数学教師の僕が分かりやすく解説します!
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半径×半径×3.14の理由
円をケーキのように分ける
まず図の①のように円を等分に分けます。ここでは分かりやすいように上半分を緑色に、下半分をピンク色に塗りました。
このケーキのようなおうぎ形を、②のように互い違いにくっつけて並べていきます。
これを青い部分で切り取り、反対側にくっつけると、長方形に近い形になります。(青い部分を切り取らずに、平行四辺形の形として考えても良い。)
切り取るおうぎ形を細かくしていくと…
上のような作業を、円をどんどんと細かく分けていきます。図では48個に分けていますが、もっともっと細かくしていくと、限りなく長方形に近い図形になります。
円からできた長方形の「タテ」の長さは半径と同じ長さで、「ヨコ」の長さは円周の半分の長さになります。
「円周の半分の長さ」=「直径×3.14÷2」=「半径×3.14」となる。
長方形の面積は「タテ×ヨコ」なので、「半径×半径×3.14」となります。
そもそも円周率って何?
円の面積を求める時も、円周の長さを求める時も、あり前のように登場する円周率3.14…。「そもそも円周率って何?」「なんで3.14なの?」と思った事はないでしょうか?
円周率は小学生の時は3.14で習い、中学生になるとπ(パイ)を使いますよね。円周率は円の外周の長さ(円周)と、その円の直径の長さの比率を表す数字です。直径が1㎝の円だとすると、その円周の長さは約3.14㎝となります。
円周:直径 ×円周率(3.14)
つまり、どんな大きさの円でも、円周を直径で割ると3.14になります。直径が2㎝であれば円周は6.28…㎝、直径が3㎝であれば円周は9.42…㎝となっていきます。この特別な数字が円周率と呼ばれ、実際には小数点が続く無限の数字です。
円周率は誰が発見した?
円周率を発見したのは、古代ギリシャの数学者であるアルキメデスが発見したと言われています。
アルキメデスは紀元前287年~212年頃の最も天才的な数理科学者で、シチリア島で生まれたとされています。今では分数や小数などを量としてあたり前のように数として認識して、自由に四則演算ができるようになったのも、アルキメデスのような大天才が多くの知見を残してくれたおかげなのです。
以下ではアルキメデスがどのように3.14を発見したのか紹介していきます。
3.14を求めてみる
アルキメデスが約4000年前に円周率3.14求めたやり方を紹介します。
まず、円の内側にぴったりはまる(内接する)青い正方形と、外側に円の直径がぴったりとはまる(外接する)赤い正方形をかきます。
画像の右側のように、緑の部分は青の部分より長く、赤い部分よりも短くなります。(青<緑<赤)
つまり、円周の長さは内側の正方形の周の長さよりも長く、外側の正方形の周の長さよりも短くなることが分かります。
円の直径を1㎝とすると、外側の正方形の周の長さは8㎝となります。内側の正方形は、三平方の定理を使うと1辺が√2/2㎝となるので、周の長さは√2/2×4=2.8284…㎝となります。
よって、円周の長さは2.8284…㎝より大きく、4㎝よりも小さいことが分かります。
2.8284…<円周<4
同じように円の中に今度は正六角形をかいてみます。円周の長さは内側の正六角形の周の長さよりも長く、外側の正六角形の周の長さよりも短くなります。
外側の正六角形は、三平方の定理を使うと1辺が√3/3㎝となり、周の長さは√3/3×6=3.4638…となり、内側の正六角形の周の長さは3㎝となります。
よって、円周の長さは3㎝よりも大きく、3.4638…㎝よりも小さいことが分かります。
3<円周<3.4638
もう分かりましたよね?この円にそれぞれ内接、外接する正多角形の角を増やしていくと、円周率は3.14…㎝に近づいていくというわけです。
ちなみに、正16角形まで調べると、3.14084…<円周<3,14286…が分かります。かなり皆さんの知っている円周率に近づいていますよね!
現在では円周率は100兆ケタまで計算されたらしいよ!
円周率を確かめてみよう
子供に3.14を教えようと思ったら、上のようなやり方では少し難しいので、もっと簡単に3.14を求めてみましょう。
紙にコンパスで円をかきましょう。直径が1㎝、2㎝、3cmの円を3種類ほどかき、ハサミで切り抜いていきます。
切り抜いた円に印をつけて、定規の上で1回転させてみましょう。1㎝の円であれば3.14㎝、2㎝の円であれば6.28㎝、3㎝の円であれば9.42㎝・・・。どれも必ず直径の3.14倍となりますよね。
このやり方であれば、子供でも3.14という数字を少し身近に感じることができるかもしれません。
まとめ
数学の中でも特に身近な図形である円。数学を習っていて、円の面積を求める機会は特に多いです。
円の面積の求め方がなぜ「半径×半径×3.14」なのかを知ることで、円の面積の求め方について更に理解を深めることができるでしょう。
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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