教員からの転職はなかなかハードルが高いと思われています。教員はビジネス経験が基本的に皆無なので、実際に難しいことではあります。今回の記事では、教員経験があるからこそ、そのスキルを生かせる転職先8選を紹介したいと思います。

 塾講師

 仕事内容としては授業やテストの採点、教材作り、質問対応などになります。教員の経験があるならば、割と転職はしやすく、仕事内容も学校の先生に近いものばかりですが、生徒の学校が終わってから勤務を開始するので、基本夕方~夜遅くにかけて働く必要があります。

 塾によっては集団指導、個別指導、オンライン指導など、授業形態も異なります。最近ではオンライン家庭教師などの募集も増えています。通勤する必要がなく、自宅でも勤務ができるメリットがありますが、対面での授業ではない分、より分かりやすい授業が求められます。

 塾講師の平均年収は約420万円で、正社員の仕事としてはやや低めです。アルバイトの場合は時給1200円~2000円前後で、アルバイトの時給としては高い傾向があります。

 私立学校教員

 公立の教員と私立の教員とでは、勤務形態が大きく異なります。一般に公立学校に比べて私立学校は数が少ないという特徴があります。東京や神奈川などの都市部では地方に比べて私立学校の割合も多く、就職枠も広いですが、地方になればなるほど、私立学校の募集数は少なくなります。

 私立学校と公立学校では教員としての仕事に大きな違いはあまりないので、転職しやすい業種と言えるでしょう。

 私立学校は公務員ではなく、サラリーマンとなるので、給与は年功序列ではなく、実力主義で決まる学校もあります。そのため、能力の高い人であれば若くしても高収入を得ることが可能です。

 このため、私立学校の給与は、学校によっても、管理職からの評価によっても変わるので、ピンキリとなっています。平均年収は約600万円前後ですが、年収1000万円以上もらっている教員も多くいるようです。

 教材開発・制作

 教材開発・制作は、教育業界において人気求人の一つです。主に、以下のような業務があります。

・教材の内容や構成を企画、編集する

・教材の原稿を書く執筆者

・テキストのデザインを担当するデザイナー

・企画の運営を担うオペレーター

教材開発と言っても、企業やポジションによって役割は大きく異なります。

 最近はオンラインなどの映像や動画を利用した教育など、テクノロジーを利用した教育を提供する教育機関や新しい教育スタイルの増加に伴い、教材開発の募集が増えています。また、元教員からの転職であれば、教材に関して意見を求められることもあり、需要は高まっています。

 平均年収は約500万円で、実力や任せられるプロジェクトによってもピンキリですが、大手の会社であれば、1500万円を超える年収をもらっている人もいるようです。

 放課後デイサービス

 放課後デイサービスとは、障害、発達障害のある6~18歳の子どもが放課後に利用できる障害福祉サービスの1つです。そこで働く児童指導員は子どもの将来的な自立を支援することがメインの仕事になります。また、支援するのは子どもだけではなく、保護者の悩みを聞いたり、子どもとのかかわり方をアドバイスしたりすることも仕事です。元教員であれば子どもとのかかわりに慣れているという強みを生かせるでしょう。

 放課後デイサービスの常勤の平均年収は約260万円、非常勤では約195万円と、児童指導員の給与は日本の平均給与と比べると低い方です。この年収の低さがネックとなり、退職する人も多く、人材不足となっている事業所が多いようです。

 営業

 営業職とは自社のサービスや商品で、顧客のニーズに応えられることをアピールして、購入や契約に繋げる仕事です。営業が契約を取り付けて商品やサービスを提供することで利益が発生するので、企業にとっては営業という存在は欠かせません。

 営業職は自分の頑張り次第では収入をどんどん上げることも可能ですが、結果が出なければ給料は上がらず、精神的にきついと感じる人も多いです。

 元教員とうことであれば、「話す」ことには慣れているでしょうし、コミュニケーション能力も高いとは思いますが、数字やノルマに追われる感覚や、結果がすべての世界に慣れることはなかなか難しいかもしれません。

 営業職の平均年収は約520万円と、やや高いですが、企業や自身の成績によっても変わるので、あまり参考にはなりません。

 Webマーケティング

 Webデザイン、Webライティング、ホームページ制作など、Web技術を生かして、社会に価値のあるものを提供する仕事です。スマートフォンなどのデバイスが急速に普及し、「デジタルマーケティング」が脚光を浴びている昨今、求人も多く、技術さえあれば稼ぎやすいという職種になります。

 普通に教員として働いている人が、急にWebマーケティングの世界飛び込むのは難しいでしょう。しかし、個人で学べるスキルなので、教員として働きながらスキルを身につけさえすれば、転職しやすい業種といえます。最近では若い先生がWebマーケティングの業種に転職する話をよく聞くようになりました。

 Webマーケティングの平均年収は約620万円と比較的高く、スキルによっては更に上を目指すことのできる業種です。

 セミナー講師

 セミナー講師とは、専門分野におけるセミナーを開いて、参加者の前で講義を行う仕事です。自分の経験や得意を生かして、その専門分野に特化した講義を行うのが一般的です。

 元教員であれば、「子どもとの関わり方」や「教員からの転職」など自分の経験を生かしたセミナーを開くことができるでしょう。また、「教える」という意味では、元教員の強みを最大限に生かすことができます。子ども相手に分かりやすく教えられた先生ならば、大人相手なら更に分かりやすく教えることができるでしょう。

 セミナーは高単価であることが多く、一人に対して10~40万円の講座が売れることもあるので、高収入を望むことができます。

セミナー講師の平均年収は約300万円と低いですが、集客の仕方によっては年収1000万円を軽く超えることもあります。

 非常勤講師 × 副業

 非常勤講師は、正規の教員に比べると収入は低くなりますが、コマ単位で働くことができるので、授業に集中できることや、時間的な余裕が生まれるといったメリットがあります。プライベートな時間を確保したい人にとってはメリットの大きい働き方である一方で、必ず仕事をもらえるわけではないことや、働く時間を自分で決めることができないので、収入が安定しないといったデメリットもあります。

 正規の教員でなかなか認められない、「副業をしながら働く」ことが非常勤講師にはできるので、副業での収入を上げながら、今までやってきた、慣れている仕事場で、収入を確保するという働き方ができます。

 非常勤講師の年収は約300万円と、正規の教員よりも当然低くなりますが、働く自治体、経験年数によっても変わってきますし、副業を成功させる繋ぎとしてもおすすめな仕事です。

 まとめ

 教員は一般企業で務めたという経験を持つ人は少なく、転職に関して不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。子どもに関わる仕事は好きだけど、働き方改革がなかなか進まない教育現場でこれからも働いていけるか不安だという方、少しずつ転職の準備をしてみてはいかがでしょうか。

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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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