やる気を出させるマインドセット

 「やればできる!」という言葉の捉え方は人それぞれですが、「そうは言っても、できないものはできない」というネガティブな考えを放置してしまうと、いつまでたってもやる気を出さない子どもになってしまうでしょう。

 人間のやる気は、「自分の能力対してどのように考えているか」によって大きく左右されることが脳科学的に証明されています。マインドセットとは、思考のあり方を指す言葉で、物事をどのように捉えるかの基準です。すぐやる気を出す子どもと、なかなかやる気を出さない子どもの違いは、このマインドセットの違いから生じるものです。

 やる気は子どもが自主的に学び、自立していくうえで大きな原動力になります。子どもの挑戦に対して親が応援をする、結果だけで判断することなく、そのプロセスを褒めてあげることによってやる気を出させるマインドセットは強化されていきます。

 逆に成功だけを褒めたり、失敗して咎められたり、他の子と比較される、というような経験を重ねると、すぐにあきらめてしまうマインドセットが強化されてしまいます。

 干渉のし過ぎはNG!

 子どもができなかったことができるようになったとき、親は子どもの成長を実感すると思います。子どもが何かに挑戦しているとき、親の関わり方として大切なのは「子どもの状態や変化を注意深く観察すること」です。具体的には子どもの「できていること」と「できていないこと」を見極めましょう。

 例えば子どもが宿題をやっているとき、親はあまり口を出さずに観察し、子どもがつまづいた時、いち早く気付くことが大切です。ポイントは子どもが悩み初めてもすぐには声をかけないことです。子どもの深い思考を妨げないようにすることを意識しましょう。

 子どもがそれでも分からずに困っていたら、一緒に教科書を見直したり、同じような問題を一緒に解いてあげたりして、ヒントを与えましょう。何が分からないのか子どもが訴えているときはしっかりと聞いてあげてください。

 子どもが分からないからといって、親が焦って干渉しすぎないように、子どもをよく観察し、声をかけるタイミングを計ることが大切です。

 ただ褒めるだけではダメ

 子どもを褒めることは、子どもの自己肯定感を高めるなど、多くのメリットがあります。しかし、何でもかんでも褒めることは子どもの意欲をそぐことになるなど、逆効果になることがあることを知っておきましょう。

 あまりに頻繁に子どもを褒めていると、子どもは「この人はなんでも褒めてくれる」という認識になり、褒められることに慣れてしまいます。褒め言葉が子どもに響かなくなり、どんなに褒めても子どもの意欲を高めたりする影響やメリットが減ってしまう可能性があるのです。

 子どもの意欲を高めるには、褒め方に目的意識を持つようにしましょう。「褒める」という行為はそもそも「前に行った行動や動作をより積極的に行うように強化する」という意味合いを持っています。なぜ褒められたのか、子どもがしっかりと理解できるように褒めてあげることが大切です。

 非言語コミュニケーション

 言葉はもっともシンプルな伝達方法ですが、実は言葉よりも表情や態度などの方が相手に伝わりやすいです。これを非言語コミュニケーションと言いますが、言語以外の表情や声のトーンが93%を占め、心理学や教育学では「メラビアンの法則」として知られています。

 子どもを褒める時に、スマホを見ながら褒めるのと、子どもの目を見て喜んでいるしぐさをしながら褒めるのでは大きく伝わり方も効果も変わってくるでしょう。

 人は普段何気なく非言語コミュニケーションを取っていますが、こうしたコミュニケーションは無意識に出てしまうものではありますが、普段の何気ないやり取りの中にも、少しの意識で子どもへの影響を変えることができます。

どんなに言葉では褒めていても、それが心からの表現ではないと子どもが受け取ってしまった場合、子どもは敏感にそれを察知してしまいます。

 親が自分自身の感情をコントロールする

「親が精神的に安定していること」これは子育てではとても大切な要素になります。

 子育てをする中で一番厄介な存在が、「怒り」という感情です。子どもが言うことを聞かない、ルールを破ってしまう時など、つい怒りが爆発してしまうこともあるでしょう。

 しかし、「怒り」は誰にでも備わった感情なので、完全に無くすことは絶対にできません。そこで自分の「怒り」感情をコントロールする「アンガーマネジメント」です。主に大切なのは2つです。

・怒りを感じたら6秒間我慢する

・起こった場面をノートに記録する

6秒数えながら我慢すると、少し冷静な状態で物事に対処できます。また、ノートに記録することによって客観的に自分の怒りを見つめ直すことができます。

 親が自分の感情をコントロールできずに否定的な態度ばかりになってしまうと、子どもの攻撃的な問題行動に繋がりやすいとされています。まずは親が怒りたくなる感情をぐっとこらえて、なぜそれが悪いのか、子どもの理解を促すこと、子どもの気持ちに寄り添った姿勢が大切です。

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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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