5/13日にTBSテレビ「バースデイ」でも紹介された”奇跡の保育園”小俣幼児生活団について、また、その保育法についてまとめていきたいと思います!

 小俣幼児生活団とは

 小俣幼児生活団とは、栃木県足利市小俣町にある私立認可保育園です。1949年創立で、「子ども達の、昼間の大きな家」と呼ばれる園舎は、明治初期まで織物業、糸商などを営んでいたそうで、足利市の国登録有形文化財建造物に登録されている建物です。幼い子ども達にとって、教育と生活は切り離すことのできないものであり、良い教育は良い生活と共にあるという理論によるものだそうです。

 0歳児から5歳児までの約100人を保育しており、お郁氏は主任とパートを合わせて約18名ほどのスタッフがいるようです。

 現在小俣幼児生活団は、全国から移住者が相次ぐ、”奇跡の保育園”と呼ばれています。

 大川繁子さん(95)

 小俣幼児生活団に務める人気保育士、大川繁子さん(95)はなんと保育士歴60年を超える現役保育士さんで、これまでの教え子は3000人以上いるそうです。

 女性で初めて足利市教育委員、宇都宮裁判所家事調停委員、足利市女性問題懇談話会座長などを歴任し、モンテッソーリ教育やアドラー心理学をいち早く取り入れました。著書「92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て」(実務教育出版)が2019年に出版され、たちまちテレビでも紹介される話題の保育士さんとなりました。

 自主性を育む3つの保育法

 給食はバイキング形式

 最初は保育士が手伝って振り分けますが、2歳児でも自分で好きなご飯を好きな量取り分けます。最初は多すぎて食べきれないこともありますが、経験していくうちに段々と自分の食べられる量が分かって食べれるようになるようです。量だけではなく、何を食べるかも園児たちに委ねられていて、1種類しか食べない子どももいます。無理強いせずに、食事が嫌じゃないと育ったの子どもの方が食べてみようかなという子どもが育つようです。

 ケンカの仲裁に入らない

 大ケガなどの心配があるときを以外は、保育士はケンカの仲裁に入りません。子ども同士で対話ができる年長さんでは、ケンカをして泣いている子どもは落ち着くまで少し待ち、当事者同士で話してお互いが納得して解決できるように「何が嫌だったの?」などの声掛けをします。

 コミュニケーションをとることが難しい1歳児などのケンカに関しては保育士はケンカの仲裁に入るのではなく、助言に徹して見守るということをしています。

 一見ほったらかしに見える保育法ですが、自分で起こしたケンカの結末を知るという意味で、最後まで責任を持たせるということを意識しているようです。保育士は何もしないのではなく、何が必要かを考えされることを意識しているそうです。

 おもちゃの持ち込みは自由

 小俣幼児生活団では、自分のおもちゃの持ち込みは自由となっています。子ども達は思い思いのおもちゃを持ってきますが、園の共有物ではなく個人のおもちゃを持ってくると友達に取られてしまったり、壊れてしまったり、貸し借りでトラブルが起こったりしますが、それは自分で持ってこない方が良かったなと思い、大事なものは家に置いておく方が良いという学びを得ることができます。このおもちゃを持っていったらなくしたりしないか?それを予測する力も育まれるようです。

 子どもの日常生活の変化

 3歳の子どもが、お母さんがキッチンに立っていたら自主的にお米を研ぐお手伝いをしに来たり、自分で飲み物を運んだり自発的に配膳や片づけをするようになったと言います。

 他のご家庭では、朝、保育園に行くときに、水筒が出発前にできていないと、自分で水筒を用意するようになったり、洗濯物の自分の服を何も言わなくても自分で畳んで自分でしまうことができるようになったと言います。

 奇跡の保育園を卒業した子どもは

 ある子どもは小学校で先生に「休み時間は外で遊ぶものです」と言われ、外で遊ぶようにと言われたときに、「私は本を読むことが好き」ということを先生に伝え、先生と話し合いをしたところ、休み時間に校庭を1周したら本を読んで良いという落としどころを見つけてお互いが納得するまで対話するということを小学校1年生でやったそうです。また、やりたい係がなかった時に「こういう係が必要、こういう係が欲しい」と提案してその係を任されるようになったそうです。

 まとめ

 「自分のやりたいことに没頭し、自分の頭で考え、自分の能力を発揮できる力(自由に生きる力)と、それに伴う責任を持てる子になってほしい」という保育方針を掲げている小俣幼児生活団は、他県からも移住者が相次ぐ”奇跡の保育園”と呼ばれています。それは子どもの自主性を育む独自の保育法で、子どもの変化が目に見えてわかるということが大きな理由でしょう。このような保育園が他にも広がってほしいですね。

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現役で中学数学を教えている先生。数学のプリントやICT関連の情報を発信していきます。
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