経歴
名前 工藤勇一 (1960年生まれ)
出身 山形県鶴岡市
高校 山形県立鶴岡南高等学校
大学 東京理科大学理学部応用数学卒業
1984年、山形県で中学教諭(数学科)を5年務めた後、東京都台東区の中学校に赴任。東京都教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長、2014年に千代田区麹町中学校の校長を経て、2020年に横浜創英中学・高等学校校長に就任
麹町中学校在職中、学校運営に全教職員、生徒、保護者を当事者として巻き込みながら形骸化した学校の当たり前を無くして、再構築を行った校長先生です。
工藤校長が言った学校教育の課題
「学校教育ではたびたび多数決を用いられるが、多数決はマイノリティ(少数派)を切り捨てるということ。」
「これからの時代に必要なのは学校に決められた当たり前をこなす力ではなく、分からないことを理解するために何が必要か考える力が必要」
「自分で考えて自分で判断する子供にしないといけない。言われたことをただ黙ってやる子どもは、今の時代だからこそ、なおさら自律が必要」
「生徒も職員も当事者意識を持つことが重要。対話を通して、目標の合意形成を図り、手段を決定していく必要がある。」
「忍耐・礼儀・協力などが強調されていることが問題。最優先にしなければいけないことは自分で考え、自分で判断し、自分で決定、自分で行動すること」
サービス産業化してしまった日本の教育
工藤校長は日本の教育が抱える真の課題は、「サービス産業化してしまった教育」であると言っています。「おもてなし」という言葉はとても素敵な言葉ではあるが、人は与えられ続けると、与えられるのが当たり前と思ってしまう。他と比べてもっと良いサービスを欲しいと思い始めます。
生徒は、手をかければかけるほど自律できなくなり、自分がうまくいかないことを誰かのせいにするようになってしまいます。自律のできなくなった生徒はうまくいかないと必ず人のせいにするようになります。
与える教育を続けると、生徒は与えられたものを行うだけになってしまい、主体性を失った子どもは自己肯定感がとても低く、劣等感でいっぱいになってしまいます。そして自分のことが嫌いな子どもは人に優しくできなくなります。
なくした学校の当たり前
工藤校長は麹町中学校の校長として赴任した2014年、最初に「問題点の洗い出し」を行いました。自らの経験から見えた問題点で約300項目、さらに教諭との個人面談などであげられた問題点加え、合計340項目にも及ぶ問題点のリストを作りました。工藤勇一さんはその問題点について改善するという方向で動き出しました。
1年目の年度末には、そのうちの半分、170項目について解決し、ほかについてもほぼ解決の方向性を見出したという。
麹町中学校でなくしたこと
○ 宿題
○ 固定担任制
○ 中間、期末テスト
○ 数学の一斉授業
○ 運動会のクラス対抗
○ 制服や頭髪などの管理
生徒、教員からの評判
生徒
授業は細かいところまで勉強ができてやりやすい
大きいテストだと単元の勉強から時間がたつので、できなかった問題があるが、今のテストなら分かる
一斉授業では聞きにくいところが聞けるし、自分のペースで進められる
生徒が作り上げる行事がとても魅力的
職員
リーダーシップはがとてもすごい
先生たちの雰囲気が良くなった
工藤校長が目指している学校のイメージを刷り込んでくれた
対話を繰り返すことで我々の理解が深まっていった
最初の職員会議で1時間どのような学校にしていくか話した
誰も経験したことのない取り組みだからみんな苦労した
投稿者プロフィール
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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