2022年の文科省が出しているデータでは、不登校の原因は家庭が11%、学校が28%、本人が61%と、不登校の原因は本人に起因する割合がもっとも多いのが現状です。

 家庭が原因で不登校になるのは、「親子の不和」「家庭環境の変化」が主な理由で、学校が原因で不登校になるのは、「いじめ」「友達との仲」「先生との関係」があげられます。

 そして本人に起因する理由として、「無気力」「非行」「不安」があげられます。

 この記事では私が約15年教壇に立ち、多くの不登校生徒と関わる中で、学校に行けなくなってしまった理由を「分からない」と言う子どもが増加していることについて私が現場で感じたことを書いていきたいと思います。

 この記事を読んで、学校に行けなくて悩んでいる児童生徒、また、その保護者の方、不登校の子どもを抱える先生方が少しでも参考にしてくれれば嬉しく思います。

数学の先生

実際の教育現場が直面する問題を解説するよ!

 学校に行けない理由を「分からない」と言う子ども

 

 約15年間教壇に立っていて、多くの不登校生徒を担任として受け持ち、また、見てきました。

 原因は本当に様々ですが、よく知られるいじめによる不登校や、家庭が原因で不登校になるケースは全体としてはかなり少数だと感じています。

 一番多いと感じるのは、やはり人間関係による不登校。理由は様々で、運動会等の行事で友達ともめた。部活動でチームメイトとうまくいかない。学校の先生と合わない。遠足等の班が思うような班にならなかったなど、もともと人間関係がなかなかうまくいかない児童生徒がこのようなきっかけで学校に通えなくなってしまうケースを多く見てきました。

 先生はそのような子どもに対して、話を聞き、保護者と協力しながら原因や不安を一つずつ取り除けるような手立てを講じていきます。

 そして今、現場で増えてきていると感じるのが、学校に行けない理由を「分からない」と言う子どもです。

数学の先生

実際に僕も何人も出会ったことがあります。

 子どもが言葉で表現できない「不安」や「焦り」

 なんで学校に行けないのか?なぜクラスに入れないのか?と、保護者や先生が聞いても「分からない」と答える生徒はとても多くなってきました。

 多くの「分からない」と言う子どもを見てきて、最初は、何か言えない理由があるのではないか、いじめられていて報復を恐れて言えないのではないかと思いました。もちろんそのようなケースもありました。

 しかし、私がたどり着いた答えは、不登校の多くの子どもが「本当に本人にも分からない」です。別の言い方をすると、「言語化できない」です。

 勉強への不安、友達や先生との人間関係、宿題、進路、親からのプレッシャーなど、多くの要素が積み重なり、本人にも言語化できない「不安」や「焦り」が学校に行けなくなる原因であると感じます。

 決定的な理由や、きっかけがあるわけではないので、本人も「分からない」と言うのだと思います。

数学の先生

本当に自分でも分かっていないという子もいる

 大人側の対応

 学校の先生は「うちのクラスで不登校が出てしまった」「クラスメイトにいじめられていたらどうしよう、聞き取りをしなきゃ」と焦り、親は「うちの子どもが不登校になってしまった」「勉強に遅れたらどうしよう」と不安になります。

 大人は、子どもが「分からない」と言っても、何か理由があるのだろうと考えて原因を探してしまいます。原因を探ろうとするだけならまだ良いですが、不登校の解決(子どもが学校に行けるようになること)を急いでしまうことは子どもにとって良いことは何もありません。

 子どもが感じる「不安」や「焦り」に寄り添い、少しずつ取り除いてあげる。多くの場合それは時間が必要になります。学校の行けなくなった明確なきっかけがない分、「これをしたから学校に行けるようになった。」ということはありません。

 まずは大人の我々が焦ったり、答えを出そうとしないこと。学校に行けなくても、子どもに寄り添い、話を聞き、その子の特性を受け入れることが重要だと感じます。

数学の先生

ムリに学校に行かせてもあまり良い方に転ばない場合が多いと思います。

 学校、保護者がどうあるべきか

 私の経験上、学校に行けない理由を「分からない」と言う生徒の多くは、別室登校から徐々に慣れていき、少しずつクラスに入れるようになったり、ある日突然学校行ってみようかな、と言って学校に行けるようになるケースが多かったです。

 中には卒業までずっと学校に行けなかった子どももいましたが、高校生になるなど、ステージが変わったら学校に行けるようになっていました。

 学校の先生や保護者が「学校に行けないことは良くないこと」「他の子はできているのに、うちの子だけできない」などのこれまでの考え方や価値観を変えていく必要があると思います。

 学校に行けない子供は決して珍しくはありません。決して「うちの子が変わっている」と思わなくて大丈夫です。そのような特性を持った子供は決して劣っているわけでも、不幸なわけでもありません。

 学校に行かせようとあの手この手を講じるより、子どもの「不安」や「焦り」に寄り添い、時間をかけてその子の特性を、先生と保護者が協力しながら理解していくことが大切であると感じます。

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管理者
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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