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どんな人生を歩むかを自分で選択するためには、「お金」の知識は絶対に必要です。
日本の学校は未だにアップデートできずに、「お金のことを口にするのは下品」「お金の話は教育にふさわしくない」という古い考えにしばられたまま。海外では将来のための貯蓄、株について、収入と支出、金融詐欺、税金、法律、契約まで、これからの人生に必要なことを教えている国も少なくありません。
お金の話はすぐに理解できるものではありません。子どもに教えるべきことは、お金の仕組みと社会の仕組みを、時間をかけて学んでいくことが大切だということです。
学校ではキャリア教育というものはありますが、お金のことを具体的に教えるような授業はありません。しかし、現場では道徳の授業や、総合的な学習の時間でお金の授業をする先生が増えてきています。
この記事では小中学生に教えるべきお金の話(基本編)を、ポイントをしぼってまとめていきたいと思います。お金の授業の、最初の1、2時間目くらいの内容として参考にしていただけるとありがたいです。
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お金の勉強をするには先生にも知識が必要だから、ちょっと敬遠しがちですよね。
目次
「欲しいもの、やりたいことリスト」を作る
まずは場を温めるため、発言しやすい空気を作るために、子ども達に「欲しいもの、やりたいことリスト」を作らせてみてください。子どもでも簡単に10項目くらい書けますし、欲しいものややりたいことをリストにするのは楽しいものです。子どもに何を書いたか発言させても良いし、近くの子どもと見せ合っても盛り上がると思います。
そのリストを達成するためには何が必要か?と子どもに投げかけると、間違いなく「お金!」と答えるでしょう。書いたリストの1つひとつにいくらかかりそうか?と問いかけても良いでしょう。
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欲しいもの、やりたいことリストを作ると、夢が広がって大人でもテンションがあがりますよね!
そもそも「お金」とは何か考える
この世界で生きていくにはお金が必要ですよね。昔から「幸せはお金では買えない」とも言いますし、子どもに聞いても、「お金がすべてではない」と答えると思います。それは正解です。とはいえ、お金がないと必要なものを手に入れることもできないし、安全に暮らすこともできないかもしれない。まずは「お金とは何なのか」から子どもに考えさせてみてください。
お金は自分の必要なものを交換する道具。お金の額と同じ価値の物やサービスを手に入れるもの。難しいかもしれませんが、このような意見を子どもから引き出して、お金とはそもそも欲しいものや必要なものを手に入れる手段だということを子どもに気付かせてあげてください。
お金の機能は、本当に大切なのは喜びと幸せに満ちた人生を送るための手段であって、目的ではない。お金は生きていくために欠かせない「暮らしの道具」だということを理解させましょう。
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何よりもまずはお金が大事!と答える生徒は絶対にいますよねw
なぜ「お金」は誕生したのか考える
お金がまだ存在していない、大昔の人はどのように暮らしてきたのか?ということを考えさせてみてください。まだ金属もない原始時代など、どのように人間が暮らしてきたのか。
大昔の人はお金を使っていませんでした。そもそもお金と言うシステムではなく、自分の持っている物と交換する「物々交換」というシステムで社会を形成してきました。人口が少なければそれでこのシステムでもうまくいくかもしれませんが、人口が多くなるに従い、多くの役割ができ、それにともない登場したのが「お金」です。
3人の原始人で村を作るシミュレーションをする
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3人しか人がいない村を想像してみてください。あなたならその3人が生きていくためにどのような役割を任せますか?狩りに行って、魚や肉を取りに行く人、水を汲みに行く人、家を作る人、野菜を育てる人など。その3人が生きていくためにそれぞれがやらなければいけないことがあります。そして人が1人、また1人と増えたらその人たちにはどのような役割を与えたら、村は大きくなっていくか考えます。
それぞれの役割で得られるものがあるから、「お肉をあげるから小麦をください」「狩りに必要な道具を作ってあげるから魚をください」このようにして小さな社会が作られていきます。サボったら何ももらえないですよね?
このように3人の村から始まり、その村が大きくなるにつれてどんな役割が必要か考えさせてみてください。
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このシミュレーションゲームだけでもあっという間に1時間使っちゃいます!
誰かの何かの役に立った時、「お金」はもらえる
物々交換でもあったように、自分のした事が誰かの役に立つから、生きていくために必要なものを手に入れることができる。そうして人口が増えてきて、物の価値の基準としてお金が存在します。
つまり、生きていくためには「お金」が必要で、「お金」をもらうためには、「誰かの、何かの役に立つ」必要がある。教室には机があり、黒板があり、テレビがある。それぞれデザインした人、作った人、運んだ人がいる。学校を一歩外に出れば、お店で料理を作る人、料理の材料の豚や牛を育てる人、道路を作る人がいる。それらの人は誰かの何かの役に立っているから「お金」をもらうことができる。そのような気付きが子どもにあると、お金の最初の授業としては良いものとなるでしょう。
また、たくさんお金をもらえる人とそうでない人の違いは?などを考えさせても面白いでしょう。「少し役に立つ」物を作った人と、「すごく役に立つ」物を作った人とでは、もらえるお金は一緒なのか?「100人の役に立った」人と、「10,000人の役に立った」人とではどうか?考えてみるのも面白いでしょう。
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どれだけの価値を提供したか、どれだけ多くの人の役に立ったかで、どれだけお金をもらえるか変わってくるってこと!
まとめ
① 「欲しいもの、やりたいこと」リストを作る
② そもそも「お金」とは何か考える
③ なぜ「お金」が誕生したのか考える
④ 3人の原始人で村を作るシミュレーションをする
⑤ 誰かの役に立った時、「お金」はもらえる
いかがだったでしょうか。「お金」のことを子どもに教えるには先生側にも知識が必要ですし、我々教員はそういう意味では一番「お金」の知識が乏しい職業の中の1つかもしれません。株、税金、契約などの難しいことは分からないかもしれませんが、子どもの「お金」に関しての知識欲を高めてあげることは必要なことかもしれません。
他の国が率先してやっているお金に関する授業を国からの指示があるのを待つのではなく、本当に必要なものを子どもに教えていく必要があるのかもしれません。私も、子どもに教えるために勉強をして、少しは「お金」の知識を得られたように感じます。
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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