学校の先生をやっていて、「塾に行かせた方が良いか」「いつから通わせた方が良いか」と、保護者に質問されることはとても多いです。
この記事では15年間教員をやっていた私が、子どもを塾に行かせるかどうか悩んでいる保護者の方に向けて参考になる情報を書いていきたいと思います。
この記事を読めば何を基準に塾を選んで、どのタイミングで塾に入るのが良いかが分かります。
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目次
塾と学校の授業の違い
教員を約15年、大学生の時に塾講師のアルバイトをしていた経験から、塾と学校で授業に大きな違いがあります。学校の授業は、すべての生徒に、一定水準の学力を付けさせる授業、平均的な学力の生徒に合わせて授業を行います。勉強の得意な生徒にとっては簡単で、苦手な生徒にとっては難しい授業となってしまうことが欠点としてあげられます。また、1度に教える人数が30~40人で多いことも欠点として上げられるでしょう。人数が多くなればなるほど先生の話を聞けなくなるという実証実験の結果もあるようです。
対して塾の授業は学校のテストや受験に合わせた授業を行います。同じような学力を持った生徒に分け、学力に応じた授業を展開することを基本として、内申点を上げるために、学校の定期テストで点を取るための授業、受験で合格するための授業を行います。また、進路に関する情報提供など、生徒、保護者に対するサポートも充実している塾も数多く存在します。ほとんどの塾が個別授業や少人数授業を行っており、手厚く勉強を見てもらうことができます。
私の経験上、塾と学校の関係はお世辞にも良いとは言えません。学校と塾が子どもの学力向上のために連携できればとても素晴らしいことですが、なかなか実現させることは難しいでしょう。自治体によってはすでに連携しているところもあるそうです。
小学生、中学1年生で通うなら本人の意思を尊重
小学生、中学1年生の子どもは前向きに授業に取り組む子が多いです。勉強は難しく嫌なもの、という認識を持つ前に、勉強習慣を身に着けるという意味では、この時期に塾に入るのはとても良いことです。英語や数学などの積み重ねの授業では一つ一つ理解していくことが大切なので、その点でも早い段階で塾に入ることは良い効果があるといえるでしょう。
しかし、本人の意思に反して無理やり塾に入れると、勉強に対しての拒否反応を強くしてしまい、結果的に逆効果になることもあります。中学1年生の最初の成績が悪かったからと言って、強い言葉で叱って塾に通わせるのはNGです。
小学生、中学1年生の時期に成績が悪かったら、一緒に対策を考えましょう。どうしたら成績が上がるかもそうですが、どのように勉強するかを親子で相談しながら解決策を見つけましょう。分からなかったら先生、友達、親に相談すると約束させたり、毎日30分は勉強の時間をつくるなど、一緒に頑張ろうという姿勢で接してあげてください。
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中学2年生でつまずく生徒は非常に多い
「中1ギャップ」という言葉があります。「中1ギャップ」とは小学校から中学校に上がり、環境が変わり勉強の内容が難しくなると、授業についていけなくなる生徒が増えるというものです。特に学力が低い生徒が陥りやすい現象です。
私の感覚では、中1の終わりから中2の半ばにかけて、勉強が難しくなってくるタイミングで、学力的に真ん中に位置するような生徒がこぞって勉強に伸び悩む時期であると感じます。中1ギャップよりもこの中2でつまずく生徒が多くいると思います。
結論を言うと、中2の夏頃が塾に入るのが、多くの子どもにとってベストなタイミングであると考えています。特に夏休みなどの夏期講習を体験で行ってみることをお勧めします。せっかく塾に入っても先生と合わなかったり、やり方に合わない場合がありますので、子どもと塾の環境が合っているか見極めるという意味で、体験から始めてみるのが良いでしょう。
また、中1のときより勉強に対して危機感を持っている時期で手遅れにならないタイミングであると考えます。実際にこの時期に塾に入る生徒が一番多いと感じます。
中学3年生で通い始めるなら手遅れにならないように
ほんの一部ではありますが、塾に入らなくても、学校の授業と自宅学習でトップ校に受かる生徒はもちろんいます。(100人に1人くらい?)中学3年生にもなれば、7~8割ほどの生徒が塾に入っています。
中学3年生から塾に入っても遅くはないのですが、中1、2の勉強の内容が全然分からないとなると、手遅れになってしまうことがあります。中学3年生で塾に入るのなら、中1、2の内容がどの程度理解しているのかを慎重に見極めましょう。基礎が定着していないのなら、もっと早い時期に塾に入ることをお勧めします。
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何を基準に塾を選ぶか
塾に入ったとしても通い続けられなければ意味がありません。子どもにできるだけストレスを感じさせない、行って楽しいと思ってもらえる塾に通わせたいと思うのは、親として当然だと思います。しかし、塾に通うのは月謝や交通費などのお金がかかる話なのでどこでもというわけにはいきません。ここでは何を基準に塾を選ぶのかについて書きたいと思います。
① お金がいくらかかるか
月謝はもちろんですが、遠い塾に通うなら送り迎えが必要となるでしょう。仕事をしている親だと送り迎えができないのでバスや電車になることもあるので、交通費がかかります。また、教材費や夏期講習、冬期講習などかかるお金は意外と多いので、確認が必要です。
② 集団指導か個別指導か
学年によって集団指導と個別指導は変わることも多いですが、どちらが子どもに合っているか見極めることが必要です。基本的には人数が少ないほど手厚く教えてもらえるので、個別指導の方が当然良いと思いますが、個別指導は値段が高かったりします。集団指導でもその集団は何人なのか、確認することは大切です。
③ 教室などの環境
教室内は整理整頓されているか、建物が古かったり、暗くないか。それからその塾にはどのような生徒通っているのか。例えば同じ学校の生徒が多数通っているのであれば、子どものストレスも和らぐでしょう。
④ 先生の指導力
これはなかなか確認することは難しいかもしれませんが、しっかりと塾内で研修などを行っている塾と、特に何の訓練も受けていない大学生が教えているような塾もあるので、その塾の口コミやOB、OGに聞いてみるとよいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。塾に入るのはお金のかかることなので、入らなくても良いならそのほうが良いと考えるのは親としては普通です。しかし、塾に行って勉強する時間が増える、教えてもらえる環境があるというのは間違いなく子どもの学力を向上させると思います。また、学習習慣を身に着けたり、進学の情報を細かく教えてもらえたりとメリットはたくさんあるので、子どもの状況と相談しながら塾に入るかどうか検討してみてください。
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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