
算数や数学の授業は、どの先生も日々試行錯誤しながら行っているのではないでしょうか。
「どうすれば子どもたちが意欲的に取り組んでくれるだろう?」
「どうすれば算数を好きになってくれるだろう?」
そんなことを考えながら授業づくりをしている先生も多いと思います。
僕自身、中学校数学を13年間、小学校の算数専科を2年間担当してきましたが、今でも「これが正解だ」という授業はありません。
ただ一つ言えるのは、子どもたちは『分かったとき』や『できたとき』に大きな喜びを感じるということです。
そこで今回は、僕が実際に行っている算数・数学の授業展開をご紹介します。
特別な準備や教材は必要ありません。授業の最初の10分を少し工夫するだけで、子どもたちの表情や学習への向き合い方が大きく変わることもあります。
日々の授業づくりの参考になれば幸いです。

毎日の授業で使えるから参考にしてね!
算数が苦手な子にも「楽しい」と感じてほしい
算数のどこに楽しさを見出すのかは子どもによって違います。
例えば、「なぜ円の面積は半径×半径×3.14で求められるのか」「なぜ分数の割り算は逆数をかけるのか」といった原理や仕組みに興味を持ち、「おもしろい!」と感じる子もいます。
もちろん、そのような学びはとても大切です。算数や数学の本質に触れることで、教科への理解を深めることができます。
しかし、クラスの子全員が同じように感じるわけではありません。
実際には、計算そのものが苦手な子や、問題文を読むことに苦労している子もいます。そのような子どもたちにとっては、原理や仕組みの説明が難しく感じられ、「算数は苦手」「分からない」という気持ちにつながってしまうこともあります。
だからこそ、授業は一部の子どもだけではなく、クラス全員を対象に考える必要があります。
算数が得意な子も、苦手な子も、「考えるって楽しい」「できたらうれしい」と感じられる授業を目指すことが大切です。僕はそのために、まずは子どもたちが前向きな気持ちで授業に参加できる環境づくりを意識しています。
算数の楽しさは「原理や仕組み」を教えること?
授業の展開の紹介の前に、僕が考える算数の「楽しい」について説明したいと思います。
皆さんが思う、算数の楽しさとはどんなとこにあると考えていますか?多くの先生が、「算数の原理や仕組み、実生活の中で算数を感じること」と答えるのではないでしょうか?
確かに算数の原理や仕組みは、知れば知るほどおもしろいですし、実生活の中で算数の有用性などを感じさせることも大事な事だと思います。
しかし、一体クラスの中の何人が、なぜ円の面積が半径×半径×3.14で求められるのか?や、解の公式の証明を紹介したときに、「楽しい!」「おもしろい!」と思うでしょうか?
僕のこれまでの経験上ですが、そのような算数の原理や仕組みをおもしろいと思えるのは、せいぜい上位1割~2割程度の子供ではないかと思っています。35人のクラスなら、3人~7人ほどだと思います。
誰もが感じられる算数の楽しさ
おそらく学校の先生になるくらいの人であれば、成績的には真ん中よりも上だと思いますし、算数の原理や仕組みを聞いて「おもしろい!」と思った人が多いでしょう。しかし、どんなに熱意をもってそれらを教えたとしても、理解ができない子供がクラスに多くいるのは紛れもない事実です。
僕が思う”誰もが感じられる算数の楽しさ”とは、問題の難易度に関わりなく、「自分が考えて導き出した唯一つの答えが正解だった瞬間」です。
どんなに算数が苦手で、成績が低い子供でも、自分なりに考えて出した答えが正解だったときはとても良い顔で喜びます。
現在の授業時数は適正か?
小学校5,6年生では算数の授業は週5回で、毎日あります。1年間で学校は35週間あるので、175時間算数の授業を行います。中学1、3年では週4回で年間140時間、中学2年では週3回で年間105時間になります。この時間数は、50年以上前から多少の変動はあるものの、ほとんど変わっていません。
学校には1人1台のタブレットが配布され、50年以上前とは比べ物にならに程、いろいろなICT機器があるにも関わらず、授業時数が変わらないのは不自然とすら思えます。
ICTを使った視覚的で効率的な授業を行うことによって、毎授業の最初の10分を脳トレに使ったとしても、授業の進行には何ら支障はありません。

今の授業時数は多すぎると感じています!
授業の最初の10分を脳トレに

前置きが長くなりましたが、僕がおすすめしたいのは、授業の最初の10分で算数クイズや論理的思考クイズを出題するものです。
どのような問題かというと、上の画像のような問題を、子供の発達段階に応じて選んで出題しています。もちろん算数の計算力や数学の知識を問うような問題(例えば中学受験算数の問題)などもありますが、算数・数学が苦手な子供でも取り組めるような論理的思考力を問うような問題も出題します。
このような問題を出題することで、算数が苦手な子供でも必死に考えて答えを出そうとします。そこで正解することができた子供はとても良い顔をしてくれます。
僕は、子供が正解したことを少し大げさにアピールしたり、みんなの前で褒めることによって、子供の自己肯定感や、算数に対するやる気を上げるように意識しています。
Instagramで300問以上の問題を紹介していますので、ぜひフォローして、普段の授業でお使いください。
楽しく学習させるために
最初の10分で算数クイズをやったあとは、授業を進めるのですが、僕が授業をするにあたって意識しているのは”変化をつける”ことです。
板書して説明するという単調な流れを繰り返していては、どんなに分かりやすい説明ができたとしても子供は楽しく学習することが難しいでしょう。
- 先生の話をきく
- ノートを書く
- 問題を解く
- スライドを見る
- 映像を見る(Youtubeやデジタル教科書など)
- グループで考える
- 隣同士で相談する
- 先生に〇を付けてもらう
- 手を動かして作業する
これらの学習活動を1時間の中で3つ、4つ取り入れることで変化をつけ、飽きさせない工夫をします。

まとめ
いかがだったでしょうか。
算数や数学の授業では、「分かる楽しさ」だけでなく、「考える楽しさ」や「できた喜び」を感じられることが大切です。
特に算数が苦手な子どもは、授業の中で成功体験を積む機会が少なくなりがちです。だからこそ、授業の最初に脳トレや算数クイズを取り入れ、「自分にもできた!」という経験を積ませることには大きな価値があります。
また、その後の授業でも説明だけが続くのではなく、話を聞く・考える・相談する・手を動かすなど、さまざまな活動を取り入れることで、子どもたちは集中して学習に取り組むことができます。
算数や数学は、すぐに成果が見える教科ではありません。しかし、「考えることが楽しい」と感じられる子どもを一人でも増やすことができれば、その積み重ねは必ず大きな力になります。
ぜひ、日々の授業の中で無理のない範囲から取り入れてみてください。
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投稿者プロフィール

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教育×ICTクリエイター|教育メディア運営
教員15年→2026/3退職 中学数学13年+小6算数専科2年
Apple Teacher・Kahoot!認定クリエイター
書籍「算数から数学への壁」(エール出版社)
授業で使える算数・数学問題、思考力を育てるクイズ、ICT活用法を発信。
これまでに5種類の兼業を経験し、ストック型副業で月10万円の収益を構築。
電子書籍「論理的思考問題50」はAmazonベストセラー第7位を獲得。
現在は教育コンテンツ制作、デジタル教材開発、教員の働き方や副業について発信中。
SNS総フォロワー数は約3万人。
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