
分数のわり算は、とてもつまずきやすい単元。
かけ算はできたのに、わり算になるとわからなくなってしまうという子は珍しくありません。
つまずく理由としては、「わる」=「いくつ分あるかを比べる」 という感覚の欠如にあります。
整数のわり算なら「12 個のクッキーを4 人で分ける」と具体物でイメージできますが、分数どうしになると“モノ”が見えにくく、やり方だけを暗記しようとしがちです。
そこで本記事では、分数のわり算を“見える化”し、分数の量感を実感させながら式へ橋渡しする教え方をご紹介します。
この記事が、子どもも教師も楽しく深く学べる「分数÷分数」の指導のヒントになれば幸いです。

教え方一つで、定着率は大きく変わる!
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分数の割り算で子どもがつまずく理由
「わる=分ける」が見えにくくなる
わり算を “同じ大きさに分ける操作” で学んできた子どもは、「わり算=分ける」というイメージを固く持っています。
もちろん、それは間違っていないのですが、分数のわり算となるとそのイメージが逆効果になることがあります。
子どもたちはこれまでの学習で、「8÷4」のようなわり算を、「8個のリンゴを4人で分けると2個ずつ」というように教わっています。
それを分数÷分数にすると、「1/2 ÷ 1/4」「1/2個のリンゴを1/4人に分ける…?」と、等分モデルが破綻してしまいがちです。
“いくつ分あるか(包含除)を調べる操作” へ思考を切り替えることができず、つまずいてしまいます。
分数の量感覚の不足
1/4 と1/2 どちらが大きいかは分かっても、「1/2 は1/4 の2倍」という比に置き換える経験が少ないと、割り算の意味(○は△の何倍?)が見えてきません。
「数同士を操作しているだけ」に感じられ、答えが大きくなる/小さくなる、の見当もつけられなくなります。
多くの教科書で提示される
という 逆数の公式を「ひっくり返して掛ける」とだけ覚えると、「数同士を操作しているだけ」に感じられ、答えが大きくなる/小さくなる、の見当もつけられなくなります。

まずは「なんで?」を思わせることも大事
「分数の量感覚の不足」でも書きましたが、逆数の公式だけ教えて、機械的に計算方法を覚えることは危険です。
しかし、あえてそれを先にやって、「なんでひっくりかえすの?」と思わせることも大事です。
① まずは数題解かせて ― 「計算そのものは難しくない」と体感させる
授業の冒頭で、公式を提示したうえで 「1/2 ÷ 1/4」「3/2 ÷ 1/3」など 2問ほど説明し、2~3 問をテンポ良く解かせます。
ポイントは、
- できる限り全員が正解できるシンプルで簡単な数字にすること
- 約分の必要がない問題にすること
ここで子どもたちは、「分数のわり算=手強い」という思い込みを一度外し、「手順さえ分かれば自分も解ける」と肯定的に学習へ踏み出せます。
② 疑問の芽を育てる ― 「どうしてひっくり返すの?」を子どもから引き出す
分数×分数はすでに学んでいるので、分子と分子、分母と分母をかければ答えが出るということはわかる子が多いはずです。
「わり算はひっくり返してかけ算すればいいんだ」と思わせることができれば半分は成功です。
できれば子どもたちから、「なんで分数のわり算はひっくり返してかけ算するの?」という疑問を引き出しましょう。
すると多くの児童は「たしかに変だ」「簡単だけど理由が分からない」とモヤモヤを覚えます。
こうして生まれた“自分発の疑問”こそが、次の操作活動や図解探究への強力なエンジンになります。「理由を知りたい」という内発的動機 をクラスに醸成する――これが深い理解への近道です。
「分数で割る」というイメージを掴む
もちろん、これらが理解できたからといって、劇的に分数÷分数ができるようになる、というわけではありません。
しかし、ただ機械的に計算するか、納得して計算するかでは大きな違いがあります。
まずは整数のわり算を考えてみましょう。

例えば、6÷2は「6Lの水を2Lずつ分けると、何人にわけられるか?」と考えることができます。
ほとんど全員の子どもが答えが「3人」だということがわかると思いますし、この問題に関してはイメージもしやすいですよね。
次に6÷2/3を考えてみましょう。

上の例と同じように考えると、「6Lの水を2/3Lずつに分けると、何人に分けられるか?」ということになります。
この言われたスッと答えが出る子はあまりいないでしょう。
しかし、画像を見ると答えは「9人」であることがわかりますね。
つまり、「6÷2/3=9」ということになります。

「6×3/2」と同じ答えになります。
ということは「÷2/3は×3/2と同じ」ということが言えます。
教えるべき例題集
最初は約分のない計算、次にシンプルな約分のある計算を例題で解いていみます。
ポイントはわり算をかけ算になおして、逆数にするということ。

次に帯分数を仮分数に、整数と小数を分数に直すという1手間増えた計算練習をする。

最後は3つの分数の計算です。

まとめ
① まず逆数公式を示して “ひっくり返せば解ける” という手軽な成功体験をさせる。
② すぐに 「なぜ割り算なのにかけ算?」 という疑問を子ども自身に抱かせる。
③ 逆数の理由を図で可視化。
④ 納得した形で計算練習をする。
この「できた喜び × モヤモヤ疑問 × 体験的探究」の流れが、分数の割り算を丸暗記ではなく概念として定着させるカギになる。
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投稿者プロフィール

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教育×ICTクリエイター|教育メディア運営
教員15年→2026/3退職 中学数学13年+小6算数専科2年
Apple Teacher・Kahoot!認定クリエイター
書籍「算数から数学への壁」(エール出版社)
授業で使える算数・数学問題、思考力を育てるクイズ、ICT活用法を発信。
これまでに5種類の兼業を経験し、ストック型副業で月10万円の収益を構築。
電子書籍「論理的思考問題50」はAmazonベストセラー第7位を獲得。
現在は教育コンテンツ制作、デジタル教材開発、教員の働き方や副業について発信中。
SNS総フォロワー数は約3万人。
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