障害(LD)とは、発達障害の一種で、知的水準や、身体の機能に大きな障害はないが、読み書き計算など、特定分野の学習が極端に苦手となるのが特徴です。同じ発達障害である注意欠如・多動症(ADHD)や自閉症スペクトラム障害など併存するケースが多いです。
この記事はこんな人におすすめ!
- 学習障害(LD)の子どもを持つ保護者の方
- クラスの子どもに著しく読む、書く、計算する力が弱い子どもがいる先生
学力と学習をイコールで考えてはいけない
読むことが苦手な子ども、書くことが苦手な子どもも、一人ひとりが得意なやり方で学べる環境が整えば、学習障害を抱える子どもも力が伸びやすくなります。大切なのは、学力にこだわることではなく、学習する環境を大事にすることです。
そもそも「学力」とはその子どもの能力の一部を断片的に切り取ったものにすぎません。そしてそれを数字化したものが「成績」です。学力が高く、成績が良い子どもが将来、社会に出てうまくやっていけるのかというと、必ずしもそうではありません。
私たち大人が子どもの学習を、学力や成績、学歴などで判断する事はとても危険です。
学習とは本来、「自発的に学ぶ力」
大人は子どもの学力を伸ばして、将来、より良い人生を歩んでいけるようにと願って勉強をさせたがります。しかし、学習とは本来、自分の発意によって行うものです。人間は興味のないことを人から無理やり教えられるよりも、自分で学びたくて学んだことの方が、より頭に入るものです。
大人が成績や学歴を意識しすぎて、子どもに学力を伸ばすことを押しつけると、勉強することは嫌な事、やらされていることと思うようになり、自発的に学習しなくなってしまいます。
親ができること
あなたは子どもが「宿題がたいへん」と言ってきた場合、どのように対応しますか?学校では全員に一律の課題が出ると、必ずやりきれない子どもが出てきます。(宿題の有無の是非に関しては割愛します)
学校で出される宿題が、子ども一人ひとりに合わせて内容や量が調整されていることはあまりないでしょう。「宿題がたいへん」という場合は全員一律の課題が出ているか、調整が不十分で、その子どもに合っていないということです。
まずは子どもに宿題がどういうものか教えてあげましょう。宿題というものは学校以外の場所で、期限までに、次の授業に活かすために提出するものだということ。最初からうまくできる子は多くないので、少し手伝う方が良いです。慣れてきたら自分のペースでやらせてあげてください。
子どもが宿題をやりきれなくなっても無理にはやらせない。一通りやり方を教え、少し手伝ったらあとは何もしないこと方が良いです。親子関係を悪くしてまで、宿題を無理矢理やらせる必要はありません。
子どもに宿題をやらせることよりも、親と先生で協力して、宿題の内容や量をその子どもの特性に応じて、調整する事が大切です。
先生ができること
先生も考えることは家庭と同じです。宿題をやりきれない子どもがいるときは宿題の内容や量の設定に問題があると考えましょう。子どもが宿題に対して、挫折する前に対応するのならば、2回続けて宿題ができなかったら課題の出し方を変えてみてください。
低学年の場合は、特に難易度や量をアレンジする必要があります。難しくてどうしてもできない子どもには少し簡単な課題を、全部をやりきれない子どもにはここまでやればOK、というラインを設定します。そのような仕組みを作ると、苦手な子も得意な子も取り組める課題になるでしょう。
高学年の場合は、本人に聞いて内容は量を調節します。「このくらいの量だったらどう?」「この問題とこの問題ならできそう?」と質問をして、一緒に考えることも大切です。
その子どもに応じて少しずつ調整してあげることで、学習障害の傾向の特性を持った子どもにも合った学習方法が分かるでしょう。
まとめ
学習障害のような特性を持った子どもにみんなと同じことをさせるのは難しいです。その子どもに合った学習内容、学習方法があります。また、無理やり学力を上げようとするのではなく、子どもが「自発的に学習する力」を見つけることができるように親と先生が協力してあげると良いでしょう。
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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