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文科省の調査によると、2022年度の全国の小中学校の不登校者数は、29万9048人となり、30万人に迫る数字となりました。

これは小学校で約60人に1人中学校で約17人に1人の割合となり、中学校では1クラスに約2人いるという計算になります。

学校に行きたくても行けない子供自身が一番辛いい思いをしているはずですが、保護者の方もたいへん苦しんでいるでしょう。

僕は15年間現役で教員をして、多くの不登校児童生徒と関わってきましたが、不登校の本当の原因は”不安”であると思っています。

この記事では、不登校の原因について紹介しているよ!

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 文部科学省のデータでは

「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果の概要」文部科学省

文科省が発表しているデータによると、「無気力・不安」が51.8%、「生活リズムの乱れ、非行」が11.4%で、本人が主な原因となっている割合が約63.2%と、3人に2人がこの原因に当てはまります。

「親子の関り方」などの家庭環境が主な原因となっているのが合わせて約11.6%、そして学校生活が主な原因となっているのが約14.9%であることが分かりました。

その他の中には、多い順に「入学、転編入学、進級時の不適応」「進路に係る不安」「教職員との関係をめぐる問題」「学校の決まり等をめぐる問題」「クラブ活動、部活動等への不適応」が挙げられています。

 いじめが原因は0.2%

上のデータを見て驚くのは、「いじめ」が原因で不登校になった割合が0.2%ということではないでしょうか?不登校と聞くと、最初にいじめを連想する人が多いはずです。

現場で教員をやっていても、いじめの認知件数は増えているにもかかわらず、いじめが原因で学校に来れなくなってしまった子供は、実際にはほとんどいません。

理由として考えらるのは、一時的にいじめが起きても、学校に来れなくなる前に解決している。または、いじめに発展する前の友人関係の不安の段階で不登校になってしまう、ということです。

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 無気力、不安が最も多い

文科省のデータによると「無気力、不安」を理由としている割合が半分以上と高い割合となっています。

「なんとなくめんどくさい」「なんとなく楽しくない」「なんとなく嫌だ」このように感じている子供は自己肯定感が低かったり、毎日の生活に充足感を感じることができなったりして、学校に行くことに対して意欲が湧かなくなってしまう状態の子供が多いと思っています。

このように思っている子供は、「努力しても無駄」や「頑張っても良いことがない」などの考えが隠れていることが多いので、その背景には一体何があるのかを理解してあげることが大事になります。

一概に「無気力、不安」と言っても、その背景には子供の数だけ理由があり、大人の常識や経験を押し付けても良いことがない場合がほとんどです。

そして、この状況にいる、学校に行けない多くの子供が「なんとなく行きたくない」「分からないけど学校に行けない」と訴えるのです。

 学校に行けない理由を「分からない」と言う子供

私が担任した不登校の児童生徒も一番多いのはこの「なんとなく行きたくない」「分からないけど学校に行けない」と言う子供でした。

担任をしていたクラスには少なくても1人、多い時は3人ほどの不登校児童生徒を受け持っていたことがあります。学年全体では多い時で10人以上の不登校児童生徒が在籍していたこともあります。

勉強が全然できず、家でゲームばかりやっている子、集団が苦手で教室に入れず、そのまま不登校になった子、学力は高いのに、人前で話したり発表したりすることが苦手な子。

これらの理由で学校に来れなくなってしまった子供も、「無気力、不安」に分類されるのでしょう。その子達に理由を尋ねると、それなりの理由を話すのですが、その日によって言うことが違ったり、曖昧ない言い回しをしたり、最終的には「分からない」と言う子供も多くいました。

多くの不安要素が折り重なり、複雑に絡み合う中で、言語化できない不安を、子供は「分からない」と言うのだと思います。

 全ての理由が「不安」に繋がる

冒頭で紹介した文部科学省のデータでは多くの理由が書かれてありましたが、そのほとんどが「不安」によるものが多いことが分かると思います。

勉強についていけなくてテストで悪い点を取ることに対しての不安、自分の進路に対しての不安、トラブルになった友達と明日上手く会話ができるのか不安、新しい学校、クラスに対しての不安、家庭環境、生活環境が変わったことへの不安…。

少し悪い言い方をすれば、これらの不安から逃れるために、”学校へ行かない”という選択をしてしまう子供が多いと感じています。

「悪いことだ」と言いたいのではなく、これらの不安とうまく付き合う方法を知らない子供にとっては、”学校へ行かない”という選択をすることは決して珍しいことではなく、普通の事なのかもしれません。

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 「不安」を取り除くことが1番の解決方法

理由をしつこく聞いたり、原因を掘り下げたりしてもあまり意味は無いですし、逆効果になることもあるでしょう。自分の不安を上手く言語化できない子供にとっては、理由を聞かれても辛いだけの場合もあります。

「自分は学校に行けないダメな子」と思わせて、自己肯定感を更に下げてしまうことにならないように、周りの大人は気を付けるべきです。

日常の何気ない会話から、何について不安を持っているのかを考えましょう。そして、その不安を一つひとつ取り除くようにサポートしてあげましょう。

学校との協力が必要であれば、電話をして担任の先生に相談するのも良いでしょう。習い事や環境が関係していそうならば、思い切って大きく環境を変えることも良いでしょう。

子供が言語化できない不安の背景や原因を考え、生活習慣の中で1つずつ解消することが解決への糸口になるはずです。

 不登校の理解が深まったことも一因

近年、不登校児童生徒数が過去最高を更新し続けているのには、「不登校の理解が深まった」ことも、1つの要因であると考えています。

不登校系Youtuberが世間を賑わすなど、「学校に無理に行かなくも良い」という風潮が社会には広がりつつあります。

多様性が重視され、フリースクールなどの選択肢も、昔と比べて圧倒的に多くなりました。自分に合った居場所で好きな事、やりたい事を見つければ良い。実際にそのようにして自分に合った生活を見つけられた子供もいるでしょう。

昔のように、学校の先生や親が無理矢理学校に連れていくことに関しては、現代では良いことはほとんどないだろうというのが僕の意見ですが…。

「無理に学校に行かなくて良い」と言う言葉を、学校の先生やカウンセラーなどの第三者が使うことに関して、そしてその意見を鵜呑みにしてしまう子供や保護者に関しては少し注意が必要かもしれません。

なぜならば、「無理に学校に行かなくて良い」と言う人は、多くの場合その子の人生に何の責任も無いからです。何の責任も負わない第三者が言う「無理に学校に行かなくて良い」という言葉は、すべての子供にとってプラスになるとはどうしても思えません。

 不登校からの復帰率

東京都が発表している「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、不登校になった児童生徒のうち、学校復帰率は小学校で29.5%、中学校で21.7%となっています。

つまり、小学校では約3人に1人、中学校では約4人に1人しか復帰できていないということが分かります。

この数字から見ても、一度不登校になってしまったら学校に復帰するのはなかなかハードルが高いことが分かります。

不登校支援サービスなどでは学校復帰率が90%を超えていると謳っている企業もあるくらいなので、まだまだ不登校児童生徒への対応や理解は、正しくされていないのかもしれません。

 まとめ

不登校問題に対して、これをすれば必ず学校に復帰できる!という正解は存在しません。

しかし、「対応が遅れれば遅れるほど、学校へ復帰することは難しくなる」と言い切ることができます。もちろん、学校へ行くことが全てではないですし、学校に行けないことが悪、と言うつもりも一切ありません。

しかし、学校へ行きたくても行けなくて苦しんでいる子供、子供が学校に行けなくて不安に思っている親御さんたちは実際にたくさんいます。

この記事では、子供が学校へ行けないのは「不安」が原因であると述べてきました。子供との日々の会話の中から、何を不安に思っているのかを考え、1つずつその不安を取り除いていくことが、学校へ復帰する唯一の方法だと私は思っています。

投稿者プロフィール

管理者
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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