こんにちはこんばんは!みなさん、2024年4月1日に放送されたGTOリバイバルはご覧になったでしょうか!?

 反町隆史さん演じる鬼塚英吉が復活するということで、かなり話題になっていましたね!また、小栗旬さんや窪塚洋介さん、松嶋菜々子さんとの夫婦共演でも話題となりました!

 今回は、GTOリバイバルの中で登場した名言から考えさせられた、現代の教育現場の問題について、現役教師の私が考察していきたいと思います!

 あらすじ

 30校以上の学校をクビになってきた鬼塚英吉(反町隆史)が今回赴任するのは、私立相徳学院という高校。この高校ではフォロワーが200万人近くいる暴露系インフルエンサー“裁ノカ笑”(サイノカワラ)が高校の生徒や先生を詮索&拡散して炎上させるということが問題になっていた。

 そんな私立相徳学院で働く教頭・富士山田剛司(小手伸也)は典型的な事なかれ主義の管理職。そして、3年1組の担任で、生徒にはあまり介入すべきでないというスタンスで教師をしている綾原美結(岡崎紗絵)。

 鬼塚はそのクラスの副担任をつとめることになるだが、そのクラスの生徒には、 野球推薦で入学するも、ケガをしてしまったことから父親とうまくいかなくなった宇野晴翔(日向亘)、父の会社が”裁ノカ笑”の暴露動画から父の会社が倒産してしまった遠藤凛(畑芽育)、仕事一筋の父・市川晃一(鈴木浩介)と関係がうまくいっていない、優等生キャラの市川すずか(八木莉可子)がいた。そんな現代の特有の悩みを抱えた令和の高校生を前に、鬼塚はどんな熱血指導を繰り広げていく…。

「小さい夢も見れないこんな世の中ね…」

 ”言いたいことも言えないこんな世の中じゃ~♪POISON~♪”

 これはGTOの主題歌で、反町隆史さんが歌う「POISON」という歌のサビ部分。GTOを見たことがある人で知らない人はいませんよね。このセリフは、この歌詞を参考にして考えられたと思われます。

 鬼塚英吉がTicTockを撮っていた女の子4人組と話をしています。鬼塚が「お前ら、あれか、将来モデルとかアイドルとか夢のためにやってるのか?」と尋ねます。女の子たちは答えます「無理に決まってるじゃん」「夢見て叶わなかったら嫌じゃん?」「その努力無駄になるし」その言葉を聞いて、鬼塚は1人でボソッとつぶやきます「小さい夢も見れないこんな世の中ね…」

 現代の子供たちは恐るべき情報量の中で生活をしています。昔はテレビと新聞だけが情報ツールでしたが、スマホの中にYouTube、Instagram、TicTockなど、情報の発信源がたくさんあります。

 そのような情報過多の現代では、夢が叶うのは一部の才能のある人間、平凡な自分ではできるはずない、努力しても無駄、そんな考えを子供たちは学習してしまっているのです。

 だからこそ、努力して上を目指そうとしなくなったり、自分はこれくらいが分相応だからと、妥協をする。必死に努力をして、夢を掴もうと頑張るという体験を今の子供たちは、あきらめてしまうような情報が、現代の世の中には出回ってしまっているというような問題を象徴したセリフになっているのではないでしょうか。

「文字の暴力…」

 鬼塚英吉は放課後、優等生の市川すずかと二人で話をしていました。鬼塚は自分で撮った動画を投稿したところ、誹謗中傷を受けてしまう。その誹謗中傷のコメントを見た市川すずかはこのように言いました。「文字の暴力、こういう人たちって絶対るんですよ…」「人って、直接殴られたりしたとき、ひどいことを言われたとき、脳の同じ場所が反応する」「こういうコメントは、直接殴ったり、ナイフで刺すのと変わらない」と言いました。

 このセリフはSNSなど、匿名で手軽にコメントできる媒体が多くある中、他人のことを考えずに、誹謗中傷コメントを書き込む人を問題にあげているセリフです。

 何人かのYouTuberやインフルエンサ―の方がこんなことを言っていました。「あまりにも誹謗中傷がひどいので、弁護士に相談して誹謗中傷した相手を特定したら、多くが中学生だった」と。

 今の子供たちは、人の気持ちが考えられずに、面白おかしく誹謗中傷ができてしまう子が多いです。また、学校では情報モラルなどの教科はなく、その指導や教育は、家庭の指導に委ねられてしまっていることが問題です。

数学の先生

現代の子ども同士のトラブルは、そのほとんどがスマホやLINEなどのSNSが絡んでいます!

「お前の良さは”いいね”じゃ語れない」

 パパ活をしていたことが学校にバレた生徒。そのお金で買った高級なバッグやアクセサリーを見た先生が言いました。「そこまでして、これが欲しかったの?」その生徒が言います「そこまで欲しかったわけじゃない、これでみんなが”いいね”してくれるから」「私だけ映ったって誰も興味ない、他に私の良いとこなんてなくない?」

 そんなとき、鬼塚がその生徒を外に連れ出し、アクセサリーをチェンソーで破壊しながら言います。「本当はこんなのいらねぇんだよ、みんなが”いいね”してくれるって?お前そいつらの顔見たことあんのか?他の奴らがなんて言おうが俺が言ってやる、お前は良い奴だ、お前の良さは”いいね”じゃ語れねぇんだよ」

 SNSで”いいね”をもらうことだけが自己肯定感となってしまっている子供が増えた。回転寿司のお店や、牛丼店で炎上したのも中高生でしたね。「バズる」ことだけを考えて、悪いことでも平気でできしまうという現代の問題を、鬼塚なりの言葉で表現していましたね。

数学の先生

生徒の家の子供部屋と両親の部屋の壁を、ハンマーでぶち抜いたシーンを思い出させてくれましたね!

「生徒とちゃんと向き合える先生に憧れてた」

 GTOは生徒だけでなく、現代の教員の問題についても描いていました。

 3年1組の担任である、綾原美結先生が、野球推薦で入学したにも関わらず、ケガで野球ができなくなり、父親との関係が悪化したことが原因で自暴自棄になってしまった生徒に対してこう言いました。「私は見てみぬフリをしていた」「私は生徒とちゃんと向き合える先生に憧れてた、でも実際になってみたらちょっとしたことで問題になるし、頑張れば頑張るほど給料と見合わなくなるし」

 このセリフは現代の先生の働き方や、ちょっとしたことで先生が叩かれる世の中を問題にあげたセリフでした。

 今、先生になっている人たちは、金八先生、ごくせん、GTOなどのドラマを教師に憧れを持った人も多いのではないかと思います。しかし、実際になってみると、ちょっとした言動で保護者からクレームを言われ、働けば働くほど、自分の身体や家庭が壊れてしまうという問題が立ちはだかる。

 教員はブラックだという事実は、SNSから始まり世の中に広く知れ渡った結果、教員を目指す学生が減り、教員の成り手は年々減少している。このような教員側の問題にも着目をしていましたね。

 まとめ

 いかがだったでしょうか。今回のGTOは2時間の特別編でしたが、内容は現代の学校教育の問題を多く取り上げた、濃い内容となっていました。正直連ドラなってほしいなぁと私は思いました。

 最初に放送された1998年から、25年以上が経った今、こんなにも描かれ方が変わるのかと、世の中の変化がよく分かる内容となっていて、1人の教員として、とても考えさせれるドラマとなっていました!

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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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