子供が学校で過ごす時間は、できるだけ有意義で、楽しい時間であって欲しいと思うことは、保護者にとって当然の気持ちですよね。しかし、友達とのトラブルや、先生の指導方法、学校の教育システムについてどうしても納得がいかなくて、学校に要望を言いたい時は誰にでもあるでしょう。でもモンスターペアレントと思われたくない…。
今回は、モンスターペアレントと思われたくないけど、学校に要望を言いたい保護者の方向けに、学校に要望を伝えるコツを紹介したいと思います。
この記事を読めば
学校に悪い印象を与えないように言いたいことが言える方法が分かる。
モンスターペアレントと思われないで、学校に要望を叶えてもらうことができる。
15年間教師をやっている僕が、学校に要望を伝えるコツを教えます!
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クレームと要望の違い
まずはクレームと要望の違いについて理解しましょう。学校に対して効果的に意見を伝える上で重要な第一歩です。
「クレーム」の特徴
- 不満や問題点に焦点を当てて話してしまう
- 感情的になってしまう
- 批判的な言い方をしてしまう
「要望」の特徴
- 改善や解決を考える建設的な提案をする
- 具体的で実現可能な解決策を提示する
- 協力的で前向きな姿勢を伝える
「クレーム」と思われるのは多くの場合、不満を感情的に伝えることです。これに対し「要望」は、改善や変更を求めるより前向きな提案をして、具体的な解決策を協力的な姿勢で伝えることです。
冷静に理論的に話をすることが大切!
学校に連絡する前に
学校の〇〇を改善してほしい!子供がいじめられて帰ってきた!こんなとき、すぐに学校に連絡したいと思うと思いますが、グッと我慢して、すぐに連絡をするのではなく、どのように伝えるか作戦を練りましょう。保護者の方が取るべきステップは以下の通りです。
1.問題点を特定する
まずは具体的に何が問題なのかを明確にしましょう。子供からの話や情報から、問題の本質を理解しましょう。このとき、感情的になってすぐに電話することは絶対にNG。事実に基づいた客観的な視点を持つことが大切です。
2.詳細な情報を集め、整理する
当事者が2人いる場合は2人から情報を聞いたり、問題がいつ、どのような状況で発生したのか情報を整理しましょう。可能であれば、具体的な証拠などを残しておき、情報を整理しておきましょう。
3.解決策の検討
ここまで問題点や情報を整理出来たら、解決策の検討をしましょう。自分が学校に対してどのような要望を持っているかを明確にして、実現可能な解決策を1つや2つ提案できるように考えておきましょう。
学校に要望を伝えるコツ
ここまで準備ができ、冷静さを保つことができているのなら、実際に学校に連絡をしてみましょう。学校の窓口は基本的には担任の先生に伝えるのが良いでしょう。もし、担任の先生に伝えのが難しい内容であれば、学年主任の先生か、教頭先生に伝えるのが良いです。
連絡の仕方は電話だけではありません。メールや連絡帳を使うことが適切であれば、そちらも検討してみてください。しかし、文章だと逆に怒っているような印象を与えてしまう可能性もあるので、うまく文章で伝える自信がなければ、直接電話をすることが望ましいです。
先生って、親からの手紙を受け取るとき身構えちゃうんですよね。
コツ1 まずは事実確認
子供の言い分や、自分で集めた情報だけを信じるのではなく、まずは「子供が〇〇って言ってるのですが、実際はどうなんでしょうか?」「〇〇と聞いたのですが、先生ご存知ですか?」など、まずは自分が聞いたことを別の視点から確かめてみましょう。子供の言い分と、事実が全然違うなんていうことも珍しくありませんよ。
コツ2 冷静であることを相手に分かってもらう
すぐに返答をを求めたり、結果を求めたりしないようにしましょう。先生がすぐに答えられない場合もあります。「確認して明日お電話します。」と言われる可能性もあるでしょう。怒りを感じるようなことであったとしても、感情的にならずに、冷静な声のトーンで話すことが大切です。
コツ3 相手の立場に理解を示す
仮に自分の子供が一方的な被害者であるような件だとしても、学校や学校の先生はできるだけ中立であろうとするはずです。そのときに、「なんで相手をかばうようなことを言うんだ!」と感じるかもしれませんが、先生は中立の立場であることに理解を示しましょう。感情的になってしまって過剰な要求をすれば、被害者側の保護者といえど、モンスターペアレントと思われてしまうかもしれません。
建設的な会話を心がけよう
一方的に学校や先生のダメ出しをしても、それは過去の話なので、建設的な会話とは言えませんよね。私はこう思っているから、このようにしてはどうですか?など、自分が思っていることと、して欲しいことを伝え、それに対して学校や先生の立場としての意見を聞き、お互いが納得のできる方法を模索するようにしましょう。
こちらの意見を一方的に伝えることも注意してください。時には積極的に聞き手に周り、相手の立場を理解する姿勢を見せましょう。目的を明確にしながら、みんなにとってプラスになることを積極的に提案し、社交辞令でも感謝の意を示すことが大切です。
みんなにとって良いことを提案すれば、我が子にとっても良い影響がある!
上手な会話の例
ここではクレームと思われない会話の例を紹介したいと思います。
〇シチュエーション
子供(A君)が顔にあざを作って、泣いて学校から帰って来ました。何があったのか尋ねたところ、放課後に学校で友達(B君)とふざけ合いの中から嫌なことを言われたので、言い返したところ、顔を叩かれてしまった。痛くて泣いてる姿を別の子(C君)に笑われた。と子供があなたに伝えたとします。
〇ポイント
これはいじめではないのか!と感情的になってはいけません。ポイント①先生はこの事実を知っているのか、他に見ていた子がいるか。(先生が知っていれば先に電話がかかってくるはず)ポイント②「ふざけ合い」がどんなものだったのか。ポイント③嫌なことを言われた、先に叩かれたと言っているが、それが事実かどうか。ポイント④見ていた子がどのような雰囲気だったのか、場合によってはいじめを疑うべきか。このあたりではないでしょうか。
〇最初にかける電話の例
保護者「〇年〇組の〇〇と申しますが、担任の先生の〇〇先生いらっしゃいますか?」
先生「〇〇です。どうかなさいましたが?」
保護者「実は~こんなことがあったみたいで、今日泣いて帰って来たんですが、〇〇先生は何かご存知ですか?」
先生「いえ、その件に関しては存じ上げないですね。」
保護者「子供は~のように言っているので、先生の方で事実確認をしていただけないでしょうか?」
先生「分かりました。電話して聞いてみますが、お母さんへの報告は、明日直接本人たちに話を聞いた後でも大丈夫ですか?」
〇報告の電話
先生「本人たちに話を聞いたところ、先にA君が悪口を言ったようで、それに対してB君が怒って手を挙げてしまったようです。近くにいたC君は、泣いていたのを笑ってわけではないと言っているんです。
保護者「そうですか。先に悪口を言ったAにも悪いところはあったんですね。」
先生「しかし、手を出したB君に関しては、どんな状況でも暴力はいけないと指導をしました。」
保護者「Aには家でも話してみます。C君を含めた周りの子は見ていたんでしょうか?はやし立てるような雰囲気があったのか心配なんです。」
先生「Cは笑ってないと言っていたのですが、どんな雰囲気だったのか分からないこともあるので、周りにいた子にも話聞いてみようと思います。」
保護者「分かりました。Aにもよく話を聞いておきます。先生も気を付けて見ていただけると助かります。」
冷静にこちらの要求を伝え、お互いが協力する姿勢を見せれば、解決も早くなるでしょう。
まとめ
学校に要望を伝える場合、保護者が意識するべきことは、感情的にならず、前向きで建設的な会話に務めることです。学校の先生も、悪意を持って対応する人はいないはずなので、こうすればうちの子が助かるし、今後の関係が良くなることを伝えれば必ず協力をしてくれますし、あなたに対して悪い感情を抱くことはないはずです。
子供の学校生活や学習環境をより良くするという、共通の目標があることをしっかりとお互いが理解し、協力し合うことが大切です。
投稿者プロフィール
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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