毎日仕事で疲れて帰ってきて、ご飯を作ったり家事をしたりしなければいけないのに、子どもの勉強や宿題を見る時間なんてとてもじゃないけど無い!勉強しなさいって子どもに言っても1人でやっても分からないと言うし、成績も右肩下がりで…

 15年間教員をやっている私は、保護者の方にこのような悩みを相談されることは少なくありませんでした。今回の記事は、忙しくて子どもの勉強の世話ができなくて悩んでいる親御さんたちに向けて、その解決方法を考えていきたいと思います。

数学の先生

毎日疲れて帰ってくるのに、勉強を見てあげる体力は無いですよね…

この記事を読めば

子どもの自学学習に対しての親の関わり方が分かる!

勉強を見てあげられない代わりにどうすれば良いか分かる!

 共働き家庭の多忙感

 夫婦で働く共働きは、不景気な世の中で経済的な安定を求めるなどの背景から、近年ますます増えてきているようです。驚くことに、2001年から2022年にかけて約1.5倍にも増加!全体の約7割が共働き世帯と言われているんです!(「男女共同参画白書令和4年版」より)

朝早く起きて朝食を作り、子どもを学校に送り出し、自分たちは仕事に向かい、夜は家事と次の日の準備に追われる。そんな毎日の中で、子どもの勉強を見てあげられない、疲れていて見たくないと思うことは決しておかしいことではありません。

 いくら子どものためとは言っても、働かないと生活はできないし、体力には限界があるし、1日は24時間しかありませんからね。

 この「ジレンマ」は多くの親が抱える共通の悩みなので、「自分は酷い親だ」なんて考えなくても大丈夫です。仕事で忙しい毎日の中で、子どもの学習ニーズに応えることは容易なことではないからです。

 子供が自分で学ぶ重要性

 多くの親は、子どもの学習サポートに悩みを抱えています。しかし、子どもの勉強にあれこれ口出しする事は、かえって子どもの自立心を妨げ、勉強に対するモチベーションを下げてしまうかもしれません。

 子どもが「自分で考えて学ぶ」という能力を育てることは、親としての大切な役割です。子供が宿題でつまずいたとき、「忙しいからさっさと答えを教える」という行為は、子ども自ら問題を解決しようとする力の育成の機会を奪っています。

 つまり、忙しいからといって、子どもの勉強を手早く見てあげようとすることは、子どもの自立心を育てるという意味でも、自ら問題を解決する力を育てるという意味でも、良いことはありません。

 学習塾やオンライン塾の活用

 自分でできないことは誰かにお願いしましょう。親が子どもの学習に十分な時間を割けない場合、塾などの外部サポートを活用することが子どもの教育を支えるカギとなります。

 「学校の先生に質問しなさい」と子どもに言う親もたくさんいますが、実際に質問をしに来る子はほとんどいませんし、先生に質問しにくるような子は、自分一人でもそれなりにできる子ばかりです。多忙化が連日ニュースで取りざたされている学校の先生も、すべての子どもについて教えることはできません。

 学習塾に通わせることも解決方法の1つです。「分からない問題を教えてくれる機会と人を雇う」という風に考えれば、それなりにお金がかかることもやむを得ないでしょう。塾までの送迎が大変ということであれば、最近ではオンライン塾なども増えてきています。

 算数と英語が重要

 小学生年代では、塾に無理やり通わせるメンタル的なデメリットもありますし、国語、社会、算数、理科、英語すべてを勉強させることは子どもの負担になります。学校の先生の立場からアドバイスさせてもらえば、国語、社会、理科の3教科はいつでも挽回は可能です。早めに手を打っておくべきは算数と英語です。

 国語は日々のコミュニケーションで育む力、理科や社会は生物、化学、地理、歴史など、ジャンルが大きく分かれる教科なので、生物が全然分からなくても、化学を学ぶことに影響はないですし、地理が分からなくても、歴史を学ぶことで地理が身に着くこともあります。

 しかし、算数と英語は「積み重ねの学問」です。たし算引き算が分からなければ分数の計算はできませんし、分数の計算ができなければ割合も分からない。その分からないが積み重なって、中学校に進学する頃には、授業を「ただ座って見ている人」になり、更に周りの友達との差は広がっていく一方です。

 おすすめはタブレット学習教材

 オンライン塾では費用が高いし、学習塾に通わせるのは送迎の時間とお金が両方ともかかるから無理!という親に、私はタブレット学習教材をおすすめします。

 コロナ禍以降、一気にメジャーになったタブレット学習教材。家庭に1台タブレットが送られてきて、そのタブレットの中に問題、動画などの解説、AIによる子どもの弱点把握、メールで保護者に達成度の報告など、多様な機能を備えています。1から順序良くやっていけば確実に力が付く仕組みと、学習塾に通わせるよりも圧倒的に安価なことが魅力です。

 小学校年代では、まずは算数と英語の勉強に遅れないように、オンライン学習教材で、自分で学ぶという力を育んでみてはいかがでしょうか。

 忙しい親のための時間管理術

 多忙な毎日を過ごす親にとって、時間は貴重です。子どもの勉強をサポートするためにも、限られた時間を最大限活用できる効果的な時間管理術を学びましょう。

 タイムブロッキング

 1日を時間ブロックに分割し、それぞれのブロックに特定の活動を割り当てる方法です。例えば、夕食後の30分を子どもの勉強を見てあげる時間として設定し、日々のルーティンを確立します。この方法で1日の流れをコントロールして、やらなければいけないことに集中する時間を確保できます。

 効率的な家事の工夫

 洗濯物はまとめて行う、食事の準備は週末にできるだけまとめて作るなど、日常の家事を計画的に行いましょう。また、子どもにも家事の一部を担当させることで、子どもの責任感を育てつつ、親の負担を軽減することもできるでしょう。

 「ノー」と言う勇気

 全ての要求に応えようとすると、当然時間とエネルギーが足りなくなりますよね。仕事を断る勇気を持つことが、家族との時間を確保する重要な要素でもあります。余計な飲み会などの会合を断る勇気を持つことも大切です。

 家庭での取り組み例

 これらの悩みを抱えたご家庭が、どのような取り組みを実際に行ったか、僕の知っていることを例に挙げて紹介したいと思います。

 ケース1

 あるご家庭では、週末の朝の時間を親子で学習時間として確保しました。親は自己啓発本などを読み、子どもは宿題などに取り組む。子どもが分からないと言ったら、ヒントだけを与える。問題を解くことや宿題を終わらせることを目的としないで、自分で勉強する習慣や、自分で考える癖を作るために朝の時間を活用したそうです。

 ケース2

 別の家庭では親が見つけたタブレット学習教材を導入し、1日1時間という時間を決めて、タブレットで勉強をしているそうです。分からいない所はタブレットの解説を見て行い、それでも分からないと言った時にだけ親が手伝うそうです。

 ケース3

 共働きの両親が交代で週末に図書館やカフェに連れていき、そこで親はゆったりとした時間を過ごしながら、子どもは学習に取り組みます。タブレット学習教材なら持ち運び可能ですし、(Wi-Fi環境があればOK)そこで宿題見てあげることもできているようです。

 まとめ

 共働き家庭のおける子どもの学習サポートは簡単な事ではありません。毎日働いて疲れて帰ってきて、ご飯を作り家事をする。「子どものため」と言ったって、誰にでも体力には限界があります。限られた時間を有効に活用し、工夫を重ねても解決が難しいようであれば、外部の学習サポートを活用してみてはいかがでしょうか。

 大切なのは、親が子どもの学習を見る時間が限られていても、子どもが自立して学ぶ力を育むための環境作りです。子どもの自立した学習は、忙しい親にとっても、その子にとっても、もちろん家族全体にとっても幸福感を高めることにつながるでしょう。

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管理者
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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