私が約15年間教員をやってきて、子供に中学受験を受けさせることは、多少なりともデメリットがあると思っています。

 「中学受験で人生が決まる」なんてことは全く思っていませんが、やはり、親の期待を背負って中学受験をする子が多く、落ちてしまった時の精神的ダメージや劣等感は、中学校生活に少なからず影響があると思っているからです。

 「落ちる」「不合格になる」という経験は子供を強くする、なんていう言葉は大人が都合の良いように勝手に作ったものにすぎません。「自分はこの学校にとっていらない存在なんだ」と子供に思わせたい親はいないですよね。

この記事では、中学受験に向けた子どもへのサポート方法を分かりやすく解説していきます!

数学の先生

親子で「受験」という挑戦を乗り越えましょう!

 中学受験をする親は年々増えている

 多くの私立中学校は、質の高い設備で、質の高い教育を提供しているので、子供を学習面でも人間性でも成長させてくれると思います。

 公立学校の教員採用の倍率が下がり、先生たちの働き方改革は進まず、更には「教育」にお金をかけない国、日本。現場で教員をやっていると、公立学校の教育の質は下がっていく一方であると感じずにはいられません。

 その中で、子供に合った私立の中学校を受験するご家庭は、年々増えているという印象です。

 中学受験のデメリット

 中学受験をする子供は年々増えていますが、メリットだけではないことを保護者の皆さんは知っておかなければいけません。

 1番大きなデメリットは間違いなく、子供にも保護者にもストレスがかかることでしょう。勉強することのストレス、落ちたらどうしよう…と思うストレス、小学校の勉強のストレス、塾などの費用、送り迎えのストレスなど、保護者と子供にかかる精神的ストレス、特に10歳頃の子供にとっての負担は大きいでしょう。

 中学校受験は母親で決まる?

 「親ですべてが決まる」なんてことは当然ありませんが、「親のサポート」は間違いなく子供が受験を乗り越えられるかを左右する大きな要素です。10歳頃の子供一人で乗り越えられるほど、中学受験は簡単なものではありません。

 子供の身体と心の健康、勉強へのモチベーションを維持しつつも、適度な休憩と息抜きを親が提供することによって、辛い受験期間を子供と二人三脚で頑張ることが大切です。

 親がするべきサポート

 ここからは親がするべきサポートを具体的に紹介していきたいと思います。

 学習習慣を身につけるサポート

 一般的に中学受験は小学校3~4年生頃から準備を始めると良い、と言われています。6年生になったときに詰め込みで受験勉強をするのではなく、小学校3年生から自然と自分で机に向かい、勉強をする習慣を身につけておくことが大切です。

 だからと言って、小学校低学年から無理矢理塾に行かせて勉強させるのはNGです。小学校1~3年生頃は自分で学びたいと思わせることが大切です。塾に入れて「はい、勉強してきなさい」ではなく、お家で親と一緒に会話を重ねながら勉強をして、勉強に対して嫌悪感を抱かないように学習習慣を身に付けることが低学年頃には必要です。

 もし、親が忙しくてなかなか一緒に勉強ができない!という方には、私はタブレット学習教材をおすすめします。塾などの送り迎えもなく、お家にいながら自分のペースで学習ができます。タブレットの中に勉強へのモチベーション維持の工夫もされているので、学習習慣を身に付ける最初のステップに最適です。

 健康の維持

 中学受験のプレッシャーの中で、子供の健康維持は非常に重要です。バランスの取れた食事は子供の健康に直結しますので、忙しいからと言ってコンビニで済ませたりするのはNGです。受験する日が近づくにつれてその重要性は増します。

 また、十分な睡眠を取れるように低学年の頃から規則正しい生活習慣を身に付けておきましょう。今はスマホの中に面白いコンテンツが山ほどある時代です。ゲームやYouTubeなどにはまり夜更かししてしまう小学生は大勢います。ゲームやスマホをやるときには約束事を決め、それを守らせるように言い聞かせる必要があるでしょう。

 身体の健康以上に心の健康は更に大切です。子供が受験に対して感じている心理的ストレスは、大人が思うよりも大きいと私は感じます。教員をしていて思うのは、この年齢くらいの子供は、自分の心理的ストレスをうまく口に出したり表現がすることができないのだと思います。うまく表現ができないからこそ、親や先生は子供のSOSに気付かずに、子供が親の期待に応えようとして潰れてしまうという事が、多く起こります。

 休息と息抜き

 上でも記述したように、子供は初めて多大な心理的ストレスを感じるので、息抜きの仕方やリフレッシュの仕方を知りません。勉強だけでなく休息にも親のサポートは必要です。

 休息の大切さは見過ごされがちですが、長期間にわたる受験勉強では、学習効率の観点からも休息はとても重要です。例えば低学年の時期は30分勉強したら必ず10分は休憩するなど、休憩の習慣を付けましょう。この休憩が子供のストレスを軽減し、さらには集中力の維持に繋がります。

 また、勉強しない日を作るなど、お休みの日を設けることも大切です。スポーツや映画鑑賞に没頭する時間や、家族でどこかに出かける時間を作り、心も体も定期的にリフレッシュできるようにサポートしましょう。

 親子のコミュニケーションを大切にする

 何よりも大切なのが、親子のコミュニケーションです。コミュニケーションを取りながら、子供の変化にアンテナを張りましょう。

 子供の変化とは、身体の変化や心の変化のことです。食事は取れているか、夜はしっかりと眠れているか、学校生活に変化はないか、過度なストレスがかかってしまっていないかなどを、日々の親子のコミュニケーションを大切にして、子供を注意深く観察してあげてください。具体的には、

  • 日常の何気ない会話を大切にする
  • 聞き手をとしての役割を果たす
  • 子供の表情や行動に注意を払う
  • 子供が安心だと思える環境を整える

などが挙げられます。

 コミュニケーションを大切にすることで、子供は安心して困っていることや悩みを相談することができます。親がどんなにプレッシャーをかけないようにしていても、子供へのストレスを0にすることは不可能でしょう。

 だからこそ、子供の不安を少しずつ取り除いてあげられる、親子の関係がとても重要になります。

 まとめ

 中学受験は子供に心理的、身体的に大きな負担がかかります。平常心でいられる子供はまずいないですし、子供一人で乗り越えられるようなものではありません。今回紹介したサポートを常日頃から行うことによって、子供の負担は少しでも軽くなります。「中学受験は母親で決まる」と巷で言われているのは、そのサポートが受験を乗り越えるための大きなファクターだからです。

 もちろん、落ちてしまった時の心のケアーも大切ですが、子供の精神衛生上、「合格した方が子供にとっても親にとっても絶対に良い」と言い切れます。その合格に向かって子供1人頑張らせるのではなく、親も一緒に頑張るという姿勢を見せることが何よりも大切なことだと思います。

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管理者
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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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