「かけ算とわり算って、なんでたし算やひき算よりも先に計算するの?」
こんな質問をされたとき、みなさんは答えることができますか?
大人からすると当たり前のことなので、あまり理由を考えことはないかもしれませんね。
今回の記事では、なぜかけ算やわり算を先に計算するのかについて、解説をしていきたいと思います!
この記事を読めば、かけ算やわり算を先に計算する理由が分かるよ!
RISU算数(タブレット学習教材)を現役数学教師がレビューしました!
結論:答えが複数出てしまうから
結論から言うと、かけ算やわり算を先に計算する理由は、「ルールがないと答えが複数出てきてしまうから」です。
かけ算やわり算から計算しなければいけないという数学的な決まりはないみたいですが、ある一定の決まりがなければ、答えが2つ出てきてしまうような問題が存在します。
つまり、かけ算やわり算を先に計算すると決めておかないと答えの食い違いが生じてしまうからです。
10-4×2を考える
ここで10-4×2という問題を考えてみましょう。
もし左から順番に計算した場合、10-4=6を先に計算し、6×2=12という答えになりますね。
一方でかけ算を先に計算した場合は、4×2=8を先に計算し、10-8=2という答えになります。
同じ計算でも答えが二つ出てきてしまいましたね。解く人によって答えが違ってしまったら困りますよね。
ではなぜ、たし算やひき算ではなく、かけ算とわり算を先に計算することになったのか、下の単位の違いで説明してみましょう。
単位の違いで考える
例えば、「100円のお菓子3つと120円のジュースを買った代金の合計は?」という問題があったとします。
式にすると”100×3+120”となり、小学校3年生くらいで習う計算式になります。
単位を付けてみると”100円×3個+120円”
この計算式を”3個+120円”を先に計算するのは式の意味合いからするとおかしいことが分かりますね。
「100円お菓子を3個買った代金」と「120円のジュースの代金」の合計を求めなくてはいけないので、かけ算から先に計算することになります。
わり算とかけ算の計算は左から
「かけ算とわり算の式では左から順番に計算する」という決まりがあります。これも、答えが複数出てきてしまうからという理由です。
「12個のケーキを4人で分けることを3回繰り返したら、1人何個ケーキを食べられる?」という問題考をえてみると、12個のケーキを4人で分ける時点で1人3個は食べられるはずなのに、答えが1になるのはどう考えてもおかしいですよね。
4×3を先に計算してしまうと、12個のケーキを12人で分けることになっていまい、問題の意味とは大きく変わってしまいます。
他にもこんなことができる
「÷4」と「×3」の計算記号をセットで入れ替えることができます。
先ほどの問題で考えると、「12個入りのケーキ3箱を、4人で分けたら1人何個ケーキを食べられる?」という意味となり、答えは36÷4=9となります。
また、わり算をかけ算に直してから計算する方法もあります。
中学生への繋がり
僕は中学生には「たし算ひき算とかけ算わり算には強弱がある」ということを教えています。(あくまでイメージの世界ですが)
中学1年生の数学では文字の式という単元で、小学校ではやらなかった、かけ算の省略や文字を使ったわり算が登場します。
例えば”x+2”や”5xー3y”などの、文字が違う場合のたし算やひき算は計算ができません。なぜならば、「+と-はくっつける力が弱い」からです。
一方”x÷2”や5x×3y”は、それぞれx/2、15xyとわり算は上下に、かけ算は前後にくっついてしまいます。「×と÷はくっつける力が強い」からです。
このように、+と-、×と÷には明確に強さが違う。だから同じ式に+と×がある場合は強い×から先に計算するということです。
議論を巻き起こした6÷2(1+2)
上の画像の問題は、SNS上で話題になった有名な問題です。
計算の順番としては、( )→×÷→+-という順番になるので、まずは(1+2)=3から計算します。ここまでは誰でも分かります。
問題はそのあと、この計算を”6÷2×3”と考えるのか、6÷(2×3)と考えるのかで、数学者達の間でも答えが分かれてしまいました。また、電卓で計算しても、メーカーによって答えが2通り出てくるというのだから驚きですよね。
2(1+2)を1つの塊(多項式)としてみるかどうかで答えが変わってしまうということです。
この式の問題点は、通常普通の計算では省略しない×を省略してしまったことから、このような話題になるに至ったそうです。
計算のルールは未だに完ぺきではないのかもしませんね!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、なぜかけ算とわり算は先に計算するのか?について解説をしていきました。結論としては「答えが複数出てきてしまうの不便だから」なのですが、計算のルールは人それぞれの解釈によって変わってしまうものなのかもしれませんね。
子供にこの問題を質問されたときには、「ルールだから」と教えるのではなく、少しでも頭の中でイメージしやすい事象で説明してあげるのが良いと思います。
投稿者プロフィール
-
現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。
最新の投稿
- お知らせ2024.11.23【一つだけ違う漢字を探す問題20選】似ている漢字の中から仲間外れを探そう!
- ブログ2024.11.20小学生向け漢字穴埋めクイズ20問!
- ブログ2024.11.13家庭教師ガンバの評判は?勉強嫌いを改善し、やる気と成績がUPする理由!
- ブログ2024.10.27Kahoot!(カフート)有料版は何ができる?プラン別に詳しく解説!先生におすすめプランも!