
「うちの子、算数が苦手で中学入ってから大丈夫かな…」
「このままだと高校受験が心配…」
子どもの持って帰ってくる算数のテストの点数を見て、そんなふうに感じたことありませんか?
不思議なことに、多くの親がこうも言うんです。
「前はできていたはずなんです」
「低学年のころは、むしろ得意だと思っていました」
実際、これはとてもよくある話。
算数につまずく子の多くは、最初から苦手だったわけじゃない。気づかないうちに、少しずつ、できなくなっていく。
子どもが算数でつまずくのは、才能がないからでも、努力が足りないからでもない場合が多いです。
算数は、
- 学年が上がるにつれて問題が抽象的になる
- 既に習ったことが前提
- 正解か不正解かがはっきりする(良くも悪くも)
こうした特徴をもつ教科です。
だからこそ、どこで、どうつまずくのか、その理由を知っているかどうかで、その後の子どもの算数の力の伸び方が大きく変わってきます。
この記事では、私が13年間の中学校で数学を教え、その後2年間小学校で算数専科をやった中で見えてきた、
「子どもが算数につまずく典型的な3つの理由」を解説します。
もし今、子どもが算数に躓いているのなら、この記事は読む価値があ流と思います。

この3つの理由を知っておいてください!
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理由① 学年が上がると算数が急に”見えなくなる”!?

実は算数って、突然”見えなくなる”ことがあるんです。
「見えなくなる?何言ってんの」って思うかもしれませんね。そんな人は、低学年の子どもが算数を習う光景を思い浮かべてほしいです。
そこに出てくるのは、リンゴが5つ、鉛筆を3本ずつ配る、500円で200円の品物を買ったときのおつり…
小学校の低学年ではこんな問題が出てくるのですが、どうでしょう?どれも目に見えて、手で触れられるものばかりではありませんか?
だから子どもは、問題文を読んだ瞬間に、「ああ、こういうことね」と頭の中でその光景をイメージできるのです。
初めて計算する子どもが、指を使って計算する姿をよく見かけますよね。
「3+2は……1、2、3、4、5」指を折りながら数える、あの姿。
あれは数を“見える形”にして理解しようとしている、とても自然な行動です。
りんごも鉛筆も現実にあって、指を数えることによって目で見える。
「100円のリンゴを3個買うといくら?」
「10個を2人で分けると、1人いくつ?」
こうした問題は、頭の中で“場面”を想像しやすい。
ところが、学年が上がると、算数の中身が少しずつ変わってきます。
分数。
割合。
速さ。
この辺になってくると、もう「物の数」ではない。
見えない量・あいまいな大きさ・数と数の関係。
こうしたものを、頭の中で処理しなければならなくなります。
たとえば、「1/3+1/3」。
リンゴなら、2個になるとすぐわかりますが、1/3を2つ合わせると言われても、ピンとこない子が多くなりまし。
「どれくらいの量なの?」
「何を足しているの?」
頭の中に、はっきりした絵が浮かばなくなる。
問題文を読んでも、情景が浮かばないから、何をしているのかもわからない。
すると、小学校中学年〜高学年で、
- とりあえず公式に当てはめて計算する
- 手順を覚えようとする
- 意味がわからないけどとりあえず答えをだす
このような学び方になっていってしまいます。
さらに学年が上がると、割合では「比べる」という考え方が出てくるし、速さでは「距離と時間の関係」を同時に考える必要が出てくる。
もう、「リンゴが何個」という世界ではなくなる。
頭の中で絵を描けるかどうかこれが、算数を理解できる子と、苦しくなる子の分かれ道になる。
学年が上がる
→ 算数が抽象的になる
→ イメージが持てなくなる
→ わからなくなる
この流れは、決して珍しいものではない。
子どもがここでつまずくのは、「見えなくなったものを、どう見ればいいか」を知らないから。
低学年のころは、自然と見えていた世界が、学年が上がるにつれて、だんだん見えにくくなった。
それに気づかないまま進むと、算数は「意味のわからない教科」になってしまう。
だからこそ、この「見えなくなる瞬間」を、親が把握することがとても大切になります。
理由② 算数は、思っている以上に「積み重ねの教科」

子どもが「この問題がわからない…」と言うとき、
急にわからなくなったのではなく、少し前のどこかで、理解があいまいなまま進んでしまっているというケースが多いでし。
算数は、よく「積み重ねの教科」だというのは、聞いたことがあるかもしれません。
たとえば、低学年でたし算・ひき算がしっかり身についていないまま、かけ算に進むと、
・暗記に頼る
・間違えると立て直せない
・応用がきかない
という状態になりやすい。
さらに、分数や小数に入ると、四則計算の理解が前提になる。
ここで「計算はできるけど、意味はよくわかっていない」という小さなズレが、一気に表に出てきてしまいます。
小学6年生になると、文字を使った式が出てきます。
ここでつまずく子は、とても多いのですが、これも突然“文字が苦手”になったわけではありません。
それまでに学んできた
・数の関係
・式の意味
・「何を求めているのか」を考える力
これらが、少しずつあいまいなまま積み重なっていることが多いです。
中学校に入ると、文字式、方程式、連立方程式と、さらにその上に積み上げていくことになります。
土台が弱いまま、上に積もうとすると、どこかで必ず崩れてしまいます。
ここで、親が知っておいてほしい現実があります。それは、学校の授業は、基本的に戻らないということ。
決められた時間数、決められた進度。
先生は、その中で全員を前に進めなければなりません。
だから、「わからなくなったところまで戻って、ゆっくりやり直す」という時間は、どうしても取りにくい。
その結果、
・授業は進む
・わからない部分は残る
・でもテストや宿題は次に行く
という状態が続く。
そしてある日突然子どもが「わからない」と言い始める。
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ここで大事なのは、「遅れている」「ダメだ」と考えることではなく、今なら、まだ立て直せるということ。
特に、小学校5、6年生の時期は、土台を見直す最後のチャンス。
この時期に、
「ここ、ちょっと怪しいかも」
「なんとなくでやってきたかも」
そう感じる単元があれば、勇気を持って戻ること。
これが算数の苦手を克服する一番確実で、一番早い道です。
算数が苦手になったように見える子の多くは、できないのではなく、積み重ねる順番が崩れているだけ。
このことを親が知っているかどうかで、子どもへの声のかけ方も、サポートの仕方も、大きく変わってきます。
理由③ 苦手意識が定着してしまう

実はこの3つ目の理由が、一番厄介です。
子どもが算数の力をつけるのに一番大きな障壁になってしまうのは、「自分は算数が苦手だ」と思い込んでしまうこと。
これが一度、子どもの中に根づくと、克服するのはとても大変。
- 分数の通分がよくわからなかった
- 割合の文章題を読んでも意味が取れなかった
- 式をどう立てればいいかわからなかった
最初はこのような小さなつまずきから始まります。
本来なら、「あ、ここがまだ理解できていないんだな」で済む話ですが、算数はそう簡単な話ではありません。
なぜなら、正解か不正解かが、はっきり目に見える教科だからです。
テストで×が並ぶ、授業中、周りの子はスラスラ解いている、先生が説明しているのに、自分だけよくわからない。
こうした場面が重なると、子どもの中に、
「また間違えた」
「どうせ自分はできない」
「頑張っても無理かもしれない」
このような負の気持ちが積み重なってしまいます。
そしてあるとき、「算数は苦手」という言葉に行き着いてしまう。
一度「苦手」というラベルが貼られると、
- 問題を最後まで読まなくなる
- 考える前に、手が止まる
- 難しそうな問題を見ると、最初からあきらめる
こうなったしまったら危険信号です。
ここで大事なのは、この苦手意識は、自然には消えないということ。
学年が上がれば解決する、というものではありません。
むしろ、内容が難しくなるほど、「やっぱり無理だ」という思いを強めてしまうことも多い。
お子さんにこうした姿が見え始めたら、それは理解の問題だけではなく、心の問題も絡んでいるサインだと考えてほしいです。
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まとめ
ここまでの3つの理由を並べてみると、実は、すべてつながっていることがわかると思います。
- 学年が上がって、算数が見えなくなる
- わからないまま積み重なっていく
- その結果、苦手意識が固まる
子どもが算数でつまずくのは、才能がないからでも、やる気がないからでもありません。
学年が上がるにつれて算数が見えにくくなり、わからないまま積み重なり、そこに苦手意識が重なっていく。
多くの場合、つまずきは「突然」ではなく、「気づかないうちに」積み重なってしまっている。
だからこそ大切なのは、結果だけを見て焦ることでも、無理に先へ進ませることでもありません。
「今、どこでつまずいているのか」それを親が知ろうとすること。
それだけで、子どもへの声かけも、関わり方も、きっと変わってくると思います。
この記事が、お子さんが算数が苦手で悩んでいる人の助けになれば嬉しいです。
投稿者プロフィール

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教育×ICTクリエイター|教育メディア運営
教員15年→2026/3退職 中学数学13年+小6算数専科2年
Apple Teacher・Kahoot!認定クリエイター
書籍「近日公開」
授業で使える算数・数学問題、思考力を育てるクイズ、ICT活用法を発信。
これまでに5種類の兼業を経験し、ストック型副業で月10万円の収益を構築。
電子書籍「論理的思考問題50」はAmazonベストセラー第7位を獲得。
現在は教育コンテンツ制作、デジタル教材開発、教員の働き方や副業について発信中。
SNS総フォロワー数は約3万人。
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