
「宿題は必要?それともいらない?」
「テレビよりもYouTubeのほうが良い?」
こんな身近な話題も、実は立派な“ディベート(討論)”のテーマです。
ディベートというと難しそうなイメージを持たれがちですが、「自分の意見を理由と一緒に伝える」「友だちの意見を聞いて考えを深める」ことができれば、子どもでも十分に取り組むことができます。
近年、学校の授業や家庭学習の中で“話し合い活動”の重要性が高まっており、
特にディベートは 考える力・伝える力・聞く力 をバランスよく鍛えられる学習法として注目されています。
本記事では、小学生でも楽しく取り組めるように
✅ディベートのやり方(4ステップ)
✅低学年〜高学年に使えるディベートテーマ120個
をわかりやすくまとめました。
「まずは身近なテーマから気軽に試してみる」のがコツです。

ぜひ授業や家庭での会話に取り入れてみてください!

ディベートってどんな活動?
ディベートとは、「あるテーマについて、賛成と反対に分かれて意見を伝え合いながら考えを深めていく活動」です。
ただ“話すだけ”の雑談や、“なんとなく意見を言い合う”話し合いとは少し違い、
- 自分の意見を理由とセットで伝えること
- 相手の話もよく聞いた上で考えること
が大きなポイントになります。
ディベートは「どちらが正しいかを決めるための勝負」ではありません。
「なぜそう思うのか?」をお互いに伝え合うことで、自分の考えを深めたり、友だちの考えを理解したりすることが目的です。
たとえば、
宿題は必要か?というテーマでも、
- 「必要だと思う。復習になるから。」
- 「必要ないと思う。放課後は自分でやりたいことを学ぶ時間にしたほうがよい。」
といったように、どちらもちゃんとした理由があります。
ディベートでは、このように「ちがう意見」から学ぶことを大切にします。
ディベートをすると身につく力
ディベートは“言い合い”ではなく、「考えて伝えるための練習」です。
普段の授業だけでは身につきにくい、次のような力をバランスよく伸ばすことができます。
■ 考える力(論理的思考)
「なぜそう思うのか?」という理由を考える習慣が身につきます。
ただ意見を言うのではなく、根拠をセットで考えることで考えの幅が広がります。
■ 伝える力(表現力)
「自分の考えを相手に分かりやすく伝える」練習になります。
文章で説明するよりも、声に出して話すことで、自分の考えを整理する力が伸びます。
■ 聞く力(傾聴力)
相手の意見を「正しい/間違い」で判断するのではなく、「なるほど、そういう考え方もあるんだ」と受け止める姿勢が身につきます。これは今後の人間関係や学習においてもとても大切な力です。
ディベートのやり方(4ステップでOK)

ディベートといっても、小学生の場合はたった4つのステップで十分に取り組めます。
最初は1テーマ5〜10分程度で試してみると、楽しく進めやすくなります。
① テーマを決める
まずは「話し合ってみたいテーマ」を1つ決めます。
はじめは「宿題は必要?」「ゲームの時間は1日1時間?」など、身近で答えやすいものが◎。
② 肯定/否定のグループに分かれる
テーマに対して「賛成」か「反対」かでグループを分けます。
※はじめはジャンケンやくじ引きでランダムに分けてもOK!
③ 意見と理由をメモする
「なぜそう思うのか?」を1人ずつ考えてメモしておきます。
例:
- 宿題は必要→理由:復習になるから
- 宿題は不要→理由:放課後は自分の学びをしたほうがいい など
④ 交互に意見を伝え合う(1人30秒程度)
肯定グループ → 否定グループ の順で、交代しながら意見を伝えます。
「〇〇だから、〇〇だと思います。」のように、理由もセットで伝えるのがルールです。
🌱例:『宿題は必要か?』を使ったミニディベートの流れ
ステップ | 内容 |
---|---|
①テーマ決定 | 「宿題は必要か?」 |
②分かれる | 賛成3名/反対3名 |
③準備 | 各自、意見+理由をメモ |
④話し合い | 賛成 → 反対 → 賛成 → 反対…(順番に発表) |
「なるほど!」「私はこう考えます!」とやりとりが続いていくと、とても盛り上がります。
小学生がディベートするときの注意点
ディベートは“意見をぶつけ合うものと思われがちですが、小学生の場合は特に「友だちを傷つけない話し合い」になるように意識することが大切です。
楽しく安全に進めるために、次の4つを必ず伝えておきましょう。
■「ちがう!」よりも「ぼくはこう思う」
相手の意見を否定するのではなく、「自分はこう考える」という言い方を意識すると、お互い気持ちよく話し合えます。
■ 感情的にならない(勝ち負けではない)
ディベートは勝負ではありません。
「どちらの考えにも良いところがある」ことを前提に、考えを深めるために行います。
■ みんなが話せるように順番や時間を決める
話すのが得意な子だけが発言し続けないように、タイマーや順番カードを使うとバランスよく進められます。
■ 理由をセットで伝える
「〇〇だと思います」で終わらず、「なぜなら〇〇だからです」の形で話すことをルールとして決めておくと、より深い話し合いになります。
⚠️この4つを最初に共有しておくだけで、ディベートが「ケンカ」ではなく「学びになる対話」になります。

小学生におすすめのディベートテーマ120選
※賛成/反対のどちらにも理由が考えられるテーマを中心に、低学年でも取り組みやすいものから高学年向けの発展的なテーマまで幅広く紹介します。
■ 学校生活に関するテーマ(25選)
- 宿題は必要か?
- 学校に制服は必要か?
- 給食はもっと自由に選べるようにすべきか?
- 修学旅行は国内で十分か?
- 掃除は生徒がするべきか?
- テストは必要か?
- 体育の授業はもっと増やすべきか?
- 図書室の本はもっと新しいものに入れ替えるべきか?
- 学校のルールは厳しい方が良いか?
- 授業は1コマ40分より短いほうが良いか?
- 先生はもっと生徒の意見を聞くべきか?
- 生徒会は全員が参加するべきか?
- 学校行事は生徒が企画するべきか?
- 自習の時間をもっと増やすべきか?
- ICT(タブレット)授業をもっと増やすべきか?
- 放課後のクラブ活動は必要か?
- 体育祭は必要か?
- 朝学習の時間は必要か?
- 校則は毎年見直すべきか?
- 図工や音楽は成績評価に入れるべきか?
- 授業中にグループ活動をもっと増やすべきか?
- クラスの席替えは毎月行ったほうが良いか?
- 校庭を地域の人にも開放すべきか?
- 先生も生徒から評価されるしくみを作るべきか?
- 自分の好きな教科を選べる「選択授業」を増やすべきか?
■ 日常生活に関するテーマ(25選)
- ペットを飼うべきか?
- 毎日運動をするべきか?
- 朝ごはんは必ず食べるべきか?
- ゲームは1日1時間までにするべきか?
- 家のお手伝いは毎日するべきか?
- おこづかいは毎月あげるべきか?
- 自分の部屋はあったほうがよいか?
- 兄弟や姉妹はいたほうがよいか?
- 家族での会話は毎日したほうがよいか?
- 外食より家で食べるほうがよいか?
- 電車やバスの中でゲームをしてもよいか?
- 勉強は友だちと一緒にするほうがよいか?
- 毎日決まった時間に寝るべきか?
- 日記を書くのは役に立つか?
- 友だちを家に呼ぶときにルールを作るべきか?
- 公園で遊ぶ時間は必要か?
- 自転車のヘルメットは必ずかぶるべきか?
- テレビよりYouTubeの方が良いか?
- 子どもにもスマートウォッチは必要か?
- 買い物は現金よりキャッシュレスの方がよいか?
- おこづかいの使い道は親がチェックすべきか?
- 1日のスマホ使用時間に上限を決めるべきか?
- お年玉はすべて自分で管理してよいか?
- ご飯は家族全員そろって食べるべきか?
- 子どもだけで買い物に行くことをもっと認めるべきか?
■ 社会・環境に関するテーマ(20選)
- プラスチックごみを減らすためにレジ袋は有料にすべきか?
- 動物園はなくすべきか?
- ごみの分別はもっと厳しくするべきか?
- 食べ物を残すのは悪いことか?
- 地球温暖化を止めるために私たちにもできることはあるか?
- 公共交通(電車・バス)をもっと使うべきか?
- 公園をもっと増やすべきか?
- 動物を守るために狩りは禁止すべきか?
- 地域の清掃活動に子どもも参加すべきか?
- ペットボトルの飲み物は禁止にすべきか?
- エコバッグは持ち歩くべきか?
- 車より自転車を使うべきか?
- ゴミを出さない日はつくるべきか?
- 地球のために贅沢を我慢するべきか?
- 自然を壊してまで便利な生活を続けるべきか?
- リサイクルをしない人には罰金を取るべきか?
- 日本は外国人観光客をもっと増やすべきか?
- 自然災害の対策を学校でももっと教えるべきか?
- 動物保護のために肉の消費を減らすべきか?
- AIは学校のテストを作成するようになるべきか?
- 宇宙開発よりも医療技術を優先すべきか?
- 家のすべての家事をロボットに任せても良いか?
- 子どもでもSNSのアカウントを持って良いと思うか?
- 地域のお年寄りを子どもたちが支える活動に参加すべきか?
■ 未来・テクノロジーに関するテーマ(20選)
- ロボットは人の仕事を助けるべきか?
- AI(人工知能)は学校の勉強に役立つか?
- テクノロジーが発展しすぎると危険か?
- ゲームは学びに役立つか?
- VR(仮想現実)で授業をする未来は良いか?
- 自動運転の車は安全だと言えるか?
- ドローンをもっと身近に使うべきか?
- インターネットは楽しく便利か、危険なものか?
- プログラミングの授業はもっと増やすべきか?
- ロボットペットは本物のペットのかわりになるか?
- 宇宙旅行は夢か、それとも現実になるべきか?
- 人間とロボットは共存できるか?
- 電気をたくさん使うより節電を優先すべきか?
- SNSはこれからのコミュニケーションに必要か?
- AIに心(感情)は必要だと思うか?
- 将来、学校に行かずオンラインだけで学ぶようになるべきか?
■ 趣味・遊びに関するテーマ(20選)
- ゲームの時間は毎日決めた方がよいか?
- スポーツは「やる」方がよいか、「見る」方がよいか?
- 本を読むことは必要か?
- 外で遊ぶ方が室内で遊ぶよりよいか?
- 漫画は勉強のじゃまになるか?
- 映画館で映画を見る方が、家で見るより楽しいか?
- 音楽を聴きながら勉強するのはよいか?
- 家族旅行は毎年行くべきか?
- 運動会は楽しいイベントか?
- テレビは教育的なものが多いか?
- アウトドア(キャンプなど)は健康に良いか?
- 楽器を習うのはよいことか?
- 絵をかくには才能が必要か?
- 自転車で遠くまで行くのは安全か?
- 釣りは楽しい趣味か?
- 写真を撮るのは立派な趣味か?
- 動物とのふれあいは大切か?
- ダンスを習うのは健康に良いか?
- ゲーム大会を学校で行うべきか?
- 工作やアート活動は授業で増やすべきか?
■ 自由討論・発展テーマ(10選)
- 子どもが1日だけ総理大臣になったら、何をするべきか?
- 夢を持つことは本当に大切か?
- 「友情」と「お金」、どちらが大切か?
- 努力は必ず報われると思うか?
- 地球の未来のためにできることは何か?
- 平和な世界を作るには何が必要か?
- 幸せとは何か?
- 人はなぜ勉強をするのか?
- ルールはなぜ必要なのか?
- 自分が大人になったらどんな社会にしたいか?
うまく進めるためのポイント
ディベートを「楽しい学びの時間」にするためには、テーマ選びだけでなく“やり方の工夫”も大切です。
小学生が取り組む場合は、次のポイントを意識するとスムーズに進みます。
■ 発言の順番や時間をあらかじめ決めておく
話すのが得意な子に発言が偏らないように、
「1人30秒」「◯番から順番に話す」など、簡単なルールを決めておきましょう。
■ メモに書いてから話す
思いつきで話すと話がそれてしまいます。
「意見+理由」を先にメモさせてからスタートするだけで、内容がぐっと深くなります。
■ 相手の良い意見は“認める”習慣をつける
「なるほど」「そういう考えもあるね」といった“受け止める言葉”を使えるようにしておくことで、安心して話し合える雰囲気が生まれます。
■ 最後に振り返りをする
「今日の話で考えが変わったことはある?」「友だちの意見で良いと思ったところは?」と振り返らせることで、ディベートが終わった後の学びがさらに深まります。
まとめ|まずは身近なテーマから始めてみよう
ディベートは「自分の意見を言う」「友だちの意見を聞く」ことで、考えを深めていく学びの活動です。
難しいテーマを使う必要はありません。
「宿題は必要か?」「テレビよりYouTube?」といった身近な話題こそ、考える力が引き出されやすいテーマになります。
今回紹介した120のテーマは、低学年〜高学年まで学年に応じて使える内容になっています。
まずは簡単なテーマからチャレンジしてみて、「理由をつけて話す」「相手の意見を聞く」経験を積んでいきましょう。
ぜひ授業や家庭での話し合いに活用してみてください!

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投稿者プロフィール

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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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