学級経営を成功させる大切なこと

学級経営って先生にとってもっとも大切で、同時に悩みの多いテーマのひとつですよね。

「クラスがまとまらない」「子ども同士のトラブルが多い」「授業に集中してもらえない」――そんな不安を抱える先生はあなただけではありません。

学級経営を成功させるために必要なのは、特別なテクニックではなく、

  • 子どもとの信頼関係
  • 学級のルール作り
  • 子どもを引きつける授業

という3つの柱を丁寧に積み重ねていくことです。

さらに、日々の実践の中で試行錯誤し、改善を続ける姿勢が「居心地のよい学級」へとつながっていきます。

この記事では、学級経営を成功させるために大切な3つのポイント+番外編として、先生方に役立つヒントも交えて紹介します。

新任の先生はもちろん、経験を重ねている先生にとっても、学級づくりを見直すきっかけになるはずです。

数学の先生

学級経営のヒントにしてください!

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学級経営で大切なこととは?基盤となる考え方

学級経営の3つの柱

学級経営は、授業や生徒指導の土台となるものです。どれほど授業準備を入念にしても、クラスが落ち着いていなければ子ども達は集中して授業を受けることができないでしょう。

逆に、安心して過ごせるクラスであれば、子どもたちは互いに刺激を受け、学び合い、成長していくことができます。

学級経営の基盤として大切なのは、「子どもが安心できる環境を整えること」です。

安心感があるからこそ、挑戦する意欲が生まれ、失敗から学ぶ姿勢も育ちます。これは一人ひとりの人権を尊重し、居心地のよい空間をつくることとも直結しています。

また、学級経営は毎年同じことを繰り返せばよいというものではありません。子どもたちは日々成長し、その実態や集団の雰囲気は年度ごとに変化します。担任の先生は、その変化に合わせて柔軟に学級を運営することが求められます。

さらに現代では、学校を「チーム」として組織的に運営することが求められています。個人の力量だけに頼るのではなく、学年・学校全体と連携しながら学級経営を進める視点も重要です。

学級経営の柱①【子どもとの信頼関係を築く】

子どもとの信頼関係を築く

学級経営の出発点は、子どもとの信頼関係です。信頼があるからこそ、子どもたちは安心して授業に臨み、先生の指導にも耳を傾けます。逆に信頼がないと、どれほどルールを示しても形骸化し、授業が空回りしてしまいます。

信頼関係を築くために大切なのは、児童生徒理解と人権感覚です。

子ども一人ひとりの特徴や気持ちを理解しようとする姿勢が、安心感と居心地の良さを生みます。小さな変化に気づいて声をかけたり、努力を見逃さずに評価したりすることが、子どもに「自分は大切にされている」という実感を与えます。

具体的な方法としては、次のようなものがあります。

  • 毎日のあいさつを丁寧にする:目を見て名前を呼び、短い時間でも子ども一人一人と会話を交わす。
  • 子どもの話を最後まで聞く:途中で遮らずに受け止めることで、信頼が積み重なる。
  • 小さな努力を褒める:成果よりもプロセスを認めて褒めることで、子どもは安心して学習に向かえる。

また、先生自身が公平で一貫した態度をとることも重要です。特定の子どもだけを特別扱いすると、不信感や不公平感が生まれます。

誰に対しても同じように接し、失敗したときには叱るのではなく「どうすればよかったか」を子どもと一緒に考える姿勢が、長期的な信頼関係を育みます。

信頼関係は短い時間で築くことはできません。しかし、毎日の小さな関わりの積み重ねがやがて大きな安心感となり、学級経営を支える揺るぎない土台になるはずです。

学級経営の柱②【学級のルール作り】

学級のルール作り

学級経営を安定させるためには、子どもたちと共有する「ルール」が欠かせません。明確なルールがあり、それを子ども達に守らせることで、安心して学校生活を送り、互いに尊重し合う雰囲気が生まれます。

大切なのは、ルールを先生が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に作ることです。

学級会や話し合いの場を通じて、みんなで意見を出し合い、納得して決めるルールは、子ども自身の責任感や主体性を引き出します。「自分たちで決めた約束だから守ろう」という意識が生まれるのです。

また、ルールはあくまでシンプルで分かりやすいものにすることがポイントです。

細かすぎる規則は形骸化しやすく、守られにくくなります。例えば、

  • 人の話を最後まで聞く
  • 時間を守る
  • 困っている人を助ける

といった、日常の行動に直結するルールが効果的です。

さらに、ルールを守れたときにしっかり認めることも大切です。ポジティブなフィードバックを積み重ねることで、子どもたちは「守ると気持ちがいい」「学級が過ごしやすくなる」と実感できます。

一方で、ルールが形だけになってしまうと逆効果になることもあります。その場合は、定期的に見直しを行い、学級の実態に合わせて柔軟に修正していくことが必要です。

子どもたちと一緒にルールをアップデートしていくプロセス自体が、学級経営ではプラスの効果をもたらします。

学級のルール作りは、安心して学び合える環境を整えるために、子どもと共に考え、守り合う仕組みをつくることを大切にしましょう。

学級経営の柱③【子どもを引きつける授業づくり】

子どもを引きつける授業作り

「授業が先生の本分だ」とよくいわれると思いますが、授業準備にあてる時間が少ないのも事実ですよね。(泣)

しかし、学級経営の安定は日々の授業に大きく左右されることも事実です。

授業が「おもしろい!」先生の説明が「分かりやすい!」と感じられれば、子どもたちは自然と授業に集中し、学級全体の雰囲気も落ち着いてきます。

逆に、授業に魅力がなければ私語やちょっかいが増え、先生は怒る、子ども同士はトラブルになるなど、学級経営に悪影響を与える結果になります。

私が思う子どもを引きつける授業のポイントは、大きく分けると以下の3つです。

  1. 発問をシンプルにする
    複雑な問いかけは、子どもを迷わせてしまいます。短く分かりやすい発問で「考えたい!」と思わせる工夫が大切です。
  2. 参加型の活動を取り入れる
    ペアやグループでの話し合い、意見を共有する場をつくることで、学級全体の一体感が生まれます。自分の考えを発表できる機会が多いほど、子どもは授業を「自分ごと」として捉えやすくなります。
  3. 教材やICTを効果的に活用する
    実物教材や映像、タブレットを取り入れることで、子どもたちの興味を引き出せます。ただし、道具に頼りすぎず、「なぜこれを使うのか」という目的を明確にすることが重要です。

また、授業づくりで忘れてはならないのが、子どもたちの達成感を積み重ねることです。

小さな成功体験を認めていくことで、「やればできる」「もっとやりたい」という気持ちが育ちます。

授業は学級経営の「最大の予防策」と言われることもあります。授業が退屈なものではなく、楽しいものだと思える子どもが増えれば、自然と学級全体が落ち着き、学級経営は円滑に進んでいくでしょう。

番外編①【学級経営を改善するためのPDCAサイクル】

学級経営を改善するたえのPDDAサイクル

学級経営の方針は、一度決めたら終わりではなく、日々の実践を振り返りながら改善していく営みです。

そのために役立つのが PDCAサイクル です。もともとはビジネスで使われる手法ですが、教育の現場でも活用できます。

  • P(Plan:計画)
    学級目標やルール、年間・月ごとの活動計画を立てる段階です。ここで「どんな学級にしたいか」を具体的に描くことが大切です。
  • D(Do:実行)
    立てた計画に沿って実際に活動や授業を進めていきます。計画はあくまで仮説なので、まずは実行に移してみることが重要です。
  • C(Check:評価・確認)
    実行したことがうまくいったかどうかを振り返ります。子どもの反応や学級の雰囲気を観察し、改善点を見つけます。
  • A(Act:改善)
    振り返りをもとに修正や改善を加え、次の計画につなげます。これにより学級経営は常に「進化」していきます。

特に大切なのは、小さなサイクルを繰り返すことです。学期末や年度末だけでなく、日々の授業や活動を振り返る短いサイクルを回すことで、子どもたちの実態に即した学級経営が可能になります。

PDCAを意識すると、「なぜこの学級経営がうまくいっているのか」「なぜトラブルが起きたのか」を客観的に見つめ直すことができます。結果として、教師の経験が積み重なり、学級経営力の向上につながります。

番外編②【家庭や地域との連携を生かす学級経営】

地域との連携を生かす学級経営

学級経営は担任の先生一人の力だけでは完結しないことが多いです。子どもを中心に、家庭・地域・学校が同じ方向を向くことで、安心感と成長の機会が広がります。

  • 見通しを共有する
    年間・学期の学級目標や行事予定、学習のねらいを早い段階で伝える。週報・学級だより・ポータル(Googleフォーム等)を使い、保護者が“今、何を大切にしているか”を把握できるようにする。
  • 連絡のハードルを下げる
    欠席・体調・気になる様子などを気軽に伝えられる窓口を一本化。返信不要テンプレやチェック式フォームを用意し、負担を軽くする。
  • 三者面談は“事前共有→当日対話→後日フォロー”
    事前アンケートで期待と不安を把握→当日は事実と具体例で話す→後日、合意したアクションを短文で再確認。これで「言った・言わない」を防ぎ、信頼が深まる。
  • 地域の人を授業に招く
    図書館司書、民生委員、消防・警察、地元企業、保護者の専門性などを“ゲストティーチャー”として活用。キャリア教育や防災学習、読み聞かせ等は学級の活性剤になる。
  • トラブル時の連携ルール
    重大な事案ほど“チーム学校”で。学年・管理職・SC・養護教諭と役割を確認し、家庭へは事実→対応→再発防止を短く誠実に伝える。感情ではなくプロセスで信頼を積む。
  • 多様な家庭への配慮
    日本語以外・単親・就労時間帯・デジタル不得手など多様性を前提に、連絡手段を複線化(紙/メール/アプリ)。行事時間の“選択肢”や“代替参加”も検討する。
  • ポジティブ情報の頻度を上げる
    問題があるときだけ連絡しない。小さな成長の共有(写真一枚+一言、週1の良いところメモ)が、保護者の安心と協力を生む。

家庭・地域との連携は「お願いする」だけでは長続きしません。見通しの共有→参加のしやすさ→小さな成功体験の循環を設計することで、学級経営はぐっと安定します。次はまとめに進めますか?

まとめ:学級経営を成功させるために大切なこと

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学級経営を成功させるために特別な裏技はありません。大切なのは、子どもとの信頼関係を築くこと、学級のルールを共に作ること、そして子どもを引きつける授業を行うこと

この3つの柱を丁寧に積み重ねていくことが、安定した学級づくりの基本です。

さらに、番外編で紹介した PDCAサイクルの活用チーム学校としての協力体制家庭や地域との連携 を取り入れることで、より持続的で豊かな学級経営が実現します。

学級経営は、日々の小さな積み重ねの連続です。毎朝のあいさつ、授業中の一つの問いかけ、休み時間の短い会話――そうした一つひとつの行動が、やがて大きな信頼と学級の雰囲気を形づくります。

「居心地がよく、安心して学べるクラス」をつくることが、子どもたちの成長と学びを最大限に引き出す土台となります。

先生自身も完璧を求めすぎず、試行錯誤を楽しみながら歩んでいくことが、結果として子どもたちにとって最良の学級経営につながるのです。

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現役で数学を教えている中学校の先生です。中学の数学のプリントやICT関連の情報、ブログでは道徳や学級レクのネタも発信しています。
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